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「ヘルニア予備軍」と診断された右鼡径部から大腿に広がる痛み 40代男性

【症例】40代男性

【初回日】2018年10月4日(施術回数2回)

【現病歴】
2018年8月末日の起床時から右の脚の付け根(鼡径部~大腿部)に痛みを感じるようになった。
思い当たる原因としては、前日の夜に開脚の柔軟体操をしたことくらいしだが、これも今年の始め頃から習慣として行っていることなので、いつもと違うことをやった訳ではない。
普通に立っている分には全く問題はない。
前屈みになったり、しゃがんだりすると痛みが出る。
日によっては、寝る時にも痛みが出る。
9月20日頃に整形外科を受診し、レントゲン検査の結果「ヘルニア予備軍」と言われ、安静を指示された。
週末(3日後)に子供の運動会があり、親として参加するプログラムがあるので、できればそこに参加したい。
症状がよくなれば方法は何でも構わない。

【症状の確認】
〈立位〉
前屈(+)
後屈(+)
側屈:右(±)左(-)
回旋:右(-)左(-)

しゃがむ(+)
腿上げ:右(-)左(-)

〈仰臥位〉
足上げ:右(-)左(-)
上体起こし(+)

〈側臥位〉
右(-)左(+)

【触診】

◎:強圧痛あり
〇:圧痛あり
×:圧痛なし

右の大腿部には圧痛が検出できなかった一方、右の鼡径部と側腹部、臀部に圧痛を検出できました。
特に右側腹部は強圧痛でした。

【施術】
「痛みを感じる部分は脚の付け根(鼡径部)から太腿(大腿部)とのことですが、腹圧が掛かる運動をした際に痛みが生じているので、押して痛かった部分の筋肉には腹圧を上げる働きがあるので、そういった筋肉をストレッチやマッサージで柔らかくすれば、痛みは軽くなると思います」と説明。
また触診時のリアクションから、やや圧刺激に敏感な様子だったので、まずはストレッチで臀部の筋肉をほぐし、その後にマッサージで臀部をほぐすことを提案し、承諾をいただきました。

まず仰向けになってもらい、右臀筋にストレッチを施しました。
可動域が増し、筋肉が柔らかくなったのを確認してから、次にうつ伏せになってもらいました。
この体勢で右臀部と側腹部にマッサージを施しました。
もう一度仰向けになってもらい、右足部にマッサージを施しました。
起き上がってもらい、最初と同じ様に痛みの確認をしました。
前後屈共にまだ痛みがありましたが、しゃがむ動作では痛みが無くなっていました。
ベッドに腰掛けてもらい、右の鼡径部周囲を触診すると大腿筋膜張筋の筋腹部にも圧痛が検出できたので、同部位と鼡径部にマッサージを施しました。
再度、前後屈をしてもらうと、前屈での痛みは消失し、後屈も痛みが残るものの、可動域は増していました。
更に左側臥位での痛みも消失していました。

最後に「今日の施術で痛みは軽くなりましたが、1か月以上も運動に制限があったので、3日後の運動会で急に激しい運動をすると、再発したり別の場所を痛めるリスクが高いです。最終的にやるかやらないかの判断はお任せします」と説明し、初回を終了しました。


《第2回》2018年10月6日(初回の2日後)

【経過】
「前屈みがまだ辛いが、100あった痛みが30くらいまで減り、寝る時の痛みも無くなってきて、だいぶ良くなった」
「明日の運動会は出ない事にしたが、11月中旬に1km走るイベントがあるので、そこまでには回復したい」

【症状の確認】
〈立位〉
前屈(-)
後屈(±)
側屈:右(-)左(-)
回旋:右(-)左(-)
斜め前屈:右(-)左(-)

※斜め前屈は腰の負担が大きい体勢なので、普段は行わないのですが、通常の動作では痛みが確認できなかったので追加しました。

〈仰臥位〉
足上げ:左右(+)
上体起こし(+)

【施術】
基本的には初回と同様の考えで行おうと思いましたが、より痛みが少ない鍼施術を提案し承諾をいただきました。

まずはうつ伏せになってもらい、屈伸穴などの右臀部と帯脈穴に単刺術を施し、その後、同部位にマッサージを施しました。
仰向けになってもらい、上体起こしと脚上げを行ってもらいましたが、前者は痛みが残りましたが、後者は痛みが消失していました。
更に仰向けのまま右膝を立てた状態で右鼡径部にマッサージを施したところ、上体起こしでの痛みがさらに改善し、「(前回施術前が100だとしたら)今は10~20まで軽減している」とのことでした。

最後に仰向けでの臀筋のストレッチを指導し、「11月に1km走るのは全く問題無いと思います」と伝え、施術を終了しました。

「軽度のヘルニア」と言われた腰痛 30代男性

【症例】30代男性 会社員

【初回日】2017年8月5日(施術回数2回)

【現病歴】
学生でバスケットボールをやっていた2002年頃から腰痛を感じ始めた。
特に運動後に腰に疲労感を感じる。
病院ではMRIの結果「軽度のヘルニア」と言われた。

【症状の確認】
〈立位〉
前屈(-)
後屈(+)
側屈:右(+)左(+)
回旋:右(+)左(±)
靴下を履く動作:右(-)左(±)

後屈、右側屈、右回旋では腰の中央に、左側屈では右腰に痛みが出ます。

【触診】

〇:圧痛あり
×:圧痛なし

痛みを感じる腰には、志室穴の辺りに圧痛を検出できたものの、それ以外には圧痛を検出できませんでした。
一方、臀筋の起始部には、左右共に広範囲に圧痛を検出できました。

【視診】
臀部の筋量が少ない一方、ふくらはぎの筋量が多い。

【施術】
「鍼での施術が苦手」とのことだったので、ストレッチでの施術をお勧めし了解を得ました。
まずは仰向けになってもらい、左右の臀筋に入念にストレッチを施しました。
股関節の可動域が大きくなり、臀筋が柔らかくなったのを確認してから、起き上がってもらいました。
ここで最初と同じ様に動いてもらうと、後屈、右側屈、右回旋、左側屈での痛みが違和感程度にまで改善していました。

自宅でもできる臀筋のセルフストレッチを指導し、最後に座った状態で肩上部にマッサージを施して初回を終了しました。

《第2回》2017年8月14日(初回の9日後)

【経過】
「8月12・13日と車を片道2時間程度運転し、腰がだるくなった」
「眼にも疲労感がある」

【症状の確認】
〈立位〉
前屈(-)
後屈(+)
側屈:右(-)左(±)
回旋:右(-)左(-)
靴下を履く動作:右(-)左(-)

長時間の車の運転があって、腰に重さを感じたそうですが、初回の施術前よりはだいぶ痛みが出る動きは少なくなっています。

【施術】
施術の方向性は間違っていないようだったので、初回同様、まずは仰向けになってもらい、臀筋のストレッチを入念に施しました。
次いで、うつ伏せになってもらい、臀部を中心に下肢全体と、眼精疲労のために肩頚背部にマッサージを施しました。
起き上がってもらい、痛みを確認したところ、後屈は違和感程度、左側屈は違和感が消失していました。

引き続き、自宅で臀筋のストレッチを行うよう指示して、施術を終了しました。

「椎間板ヘルニア予備軍」と診断された腰痛 20代女性

【症例】20代女性

【初回日】’14年2月24日(施術回数1回)

【現病歴】
4年前の学生時代から、腰に痛みを感じるようになった。
’10年に整形外科に掛かった際には「椎間板ヘルニア予備軍」と言われた。
’12年にはストレスも多大だったせいか、足を引きずりながら歩くくらいに痛みがあった。
痛みは、入浴後にストレッチをすると一瞬だけだが楽になる。
しかし、ストレッチをしないと寝付きにくいので、ストレッチはよく行っている。
逆に座りっ放しでいると、痛みが悪化する。

【副訴】
腰痛の影響からか、首肩にも重だるいコリ感がある。

【症状の確認】
〈立位〉
前屈(-)
後屈(+)
側屈:右(-)左(±)
回旋:右(±)左(-)

後屈のみ明確に痛みが確認できたので、こちらを効果測定の目安としました。

【施術】
施術方法に関する希望は特に頂かなかったので、セルフ・ケアが容易な体操でまずは改善を図りました。
後屈で痛みが出る一方、前屈では痛みが無かったので、操体法の考えから立位のまま前屈のストレッチを軽く行ってもらいました。
可動域が大きくなって、筋肉が多少ほぐれてきたことが確認できた後に、再度後屈してもらいました。
すると、先ほどまであった痛みが消失していました。
「痛みは体からの『その方向には動かさないで』というサインだと思って、反対方向にストレッチすると改善することがあります」と説明し、腰痛が再燃した際には、痛みが出る方向とは逆方向へのストレッチを行ってみるようアドバイスしました。
腰への施術は以上で終了し、その後、副訴の首肩の痛みに対する施術を行いました。

【その後】
同年3月1日(初回の5日後)にお電話で腰の状態を伺うと、「首肩も含め、状態はいい」とのことでした。

【所感】
問診の段階で、患者が「入浴後のストレッチで痛みが改善する」、「座りっ放し、ストレスで悪化する」と言っているとおり、本症例の腰痛の原因は筋肉のコリ(硬化)だったと思われます。
ストレッチで改善したという事実も、そのことを支持していると思います。
なお、整形外科医がよく腰痛の原因として説明・診断する椎間板ヘルニアなどによる「神経の圧迫」で痛みが出ることも無くはないですが、かなり限定的なケースです。
「ヘルニアと診断されて痛みの改善を諦めている」という方は、是非一度鍼灸やマッサージをお試しください。
詳しくは、痛みの生理学「椎間板ヘルニアについて」もご覧ください。

CTで異常無しと言われた左後頭部痛 30代男性

【症例】30代男性 川崎市在住

【初回日】’14年4月2日(施術回数1回)

【現病歴】
3週間ほど前から左後頭部に頭痛を感じている。
頻度、程度は徐々に悪化している。
思い当たる原因としては、疲労とストレスがある。
お風呂に入ると痛みは改善する。
下を向くと痛みが悪化する。
脳神経外科に掛かってCT撮影したが異常は見つからず、「肩こりが原因」と言われた。
一日の中で痛みの程度は変化しない。
症状が楽になれば、施術方法は何でも構わない。

【症状の確認】
前屈(+)
後屈(-)
側屈:右(-)左(-)
回旋:右(-)左(-)
単純仰臥位(+)

【施術】
まず座位でのパイオネックスでの施術を試みました。
左腕骨穴にパイオネックス・イエローを貼付して、しばらくタッピングを施しました。
ここで再度、頭を前に倒してもらうと、前屈時の痛みが無くなっていました。
しかし後屈での痛みが新たに発生してしまいました。
次に左合谷穴にパイオネックス・イエローを貼付して、先ほどと同様にタッピングを施すと、後屈の痛みは少し改善しました。
ここで単純仰臥位での痛みを確認すると、仰臥位になって30秒経過すると痛み出します。
仰臥位になってもらい、股関節揺らしを施しましたが、この仰臥位での30秒経過後の痛みに変化はありませんでした。
座位になってもらい、左右のH5にピソマⅡを貼付してタッピングを施しましたが、仰臥位での頭痛に変化はありません。
交感神経を興奮させるために、その場での駆け足を3分ほど行ってもらうと、仰臥位での痛みが無くなりました。
なるべく体を動かすことと、糖分の摂取を控えるようアドバイスして施術を終了しました。

【感想】
前屈時の痛みは手のツボを刺激したことで改善したことから「筋肉のコリ」の影響から生じ、仰臥位での痛みはその場駆け足によって交感神経を興奮させることで改善したことから「副交感神経過剰興奮」によって生じていたと思われます。
もちろん、その場での駆け足によって自律神経以外にも、「体が温まる」などの変化も起こるので、「自律神経の影響だけ」とは言い切れませんが、原因のひとつとしては考えられるのではないでしょうか。

精神的緊張や寒さで悪化する頚痛 30代女性

【症例】30代女性

【初診日】2016年3月29日(施術回数1回)

【現病歴】
4~5年前から首に重だるさを感じていたが、2016年2月1日からそれが悪化しだした。
休日、入浴、マッサージを受けると改善するが、反対に寒い時や緊張した時に悪化する。
医者には掛かっていない。

【積極的問診】
視力は裸眼で左右共0.2程度、普段はコンタクトを使用して1.0程度に調整している。
症状悪化以前の日常の主な変化としては、2016年1月から現在の職場に勤務するようになったことくらい。

【症状の確認】
前屈(-)
後屈(+)
側屈:右(±)左(-)
回旋:右(+)左(-)
斜前屈:右(-)左(+)
※後屈時のみ右であとは左に痛みが出ます。

【触診】
僧帽筋上部線維や胸鎖乳突筋の筋腹部や起始停止部に圧痛が検出できました。

【施術】
刺さない鍼での施術を希望されたので、希望どおりハペパッチでの施術を試みました。
座位で左の翳明穴と巨骨穴にハペパッチを貼付すると、右側屈と左回旋での左側の痛みが無くなりました。
次に右の胸鎖乳突筋の圧痛部位3点にハペパッチを貼付すると、後屈での右側の痛みが無くなりました。
ここで患者さんが左斜後屈で左の頚部に痛みが出ることを発見。
改めて患部周囲を触診すると、左天牖穴に圧痛を検出できたので、同部位にハペパッチを貼付すると、この痛みも消失しました。

【日常のアドバイス】
仕事がある日に症状が悪化することと、患部が精神的な影響を受けやすい頚であることから、精神的ストレスが症状悪化の要因の可能性が高いことを伝えました。
併せて、新しい職場環境に慣れて精神的ストレスが低減すれば、今回ほど症状が悪化することも無くなる可能性が高いことも伝えました。
日常的にはハペパッチを圧痛部位に貼付して対処することをお勧めしました。

起床時に痛む左腰痛 70代男性

【症例】70代男性 運転手

【初診日】’16年11月14日(施術回数1回)

【現病歴】
’16年11月1日から左の腰に痛みが出始めた。
20年前にくしゃみでぎっくり腰になったことがあるが、今回は思い当たる節がない。
体を動かしていると楽になるが、起床時や運転中に痛みが悪化する。
整骨院では「座りっ放しがよくない」と言われた。
11月6日に整骨院の施術で改善したが、翌日から再度痛み出した。
知人に「腰痛には鍼が効く」と言われたので、鍼を受けたい。

【症状の確認】
〈立位〉
前屈(+)
後屈(+)
側屈:右(-)左(+)
回旋:右(-)左(-)
靴下を履く動作:右(-)左(+)

〈仰臥位〉
脚振り:右(-)左(+)
レッグレイズ:右(-)左(+)
上体起こし(+)

【触診】
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〇:圧痛あり
✕:圧痛無し

左の腰部と鼡径部、更に左右の中足骨間部に圧痛を検出できました。

【施術】
まずは仰臥位で単刺術を左右の中足骨間部に施しました。左のレッグレイズでの痛みが改善しました。
次に臀筋のペアストレッチを施しました。しかし左に脚振りすると、まだ左腰に痛みが出ます。
「もうちょっと良くなってもいいはずなんだけどなぁ」と思いながらも、手を止めずに左鼡径部に指圧を施すと左脚振りでの痛みが無くなりました。
起き上がってもらい症状を確認すると、前屈、後屈、左側屈、靴下を履く動作での痛みがありませんでした。

施術後に「筋肉が硬くなったことによる痛みだったと思います」と説明し、仕事の合間に体操するよう指示して初診を終了しました。

ストレッチで著効した抱っこによる後屈時の腰痛 30代女性

【症例】30代女性

【初診日】’14年3月2日(施術回数1回)

【現病歴】
妊娠中から腰痛になり、出産後も痛みが引かない。
子供を抱っこすると痛みが悪化する。
お風呂に入ると改善する。

「抱っこで悪化する」とのことなので、実際にどういった体勢で抱っこしているのか見せてもらうと、抱っこそのものは問題無かったのですが、抱きかかえる時と下ろす時に膝を伸ばしたままの姿勢を取られていました。
この姿勢を取ると痛みも出ます。

「それじゃあ腰痛にさせてくださいって言ってるようなものですよ」と思わず突っ込んでしました。
しっかり膝を曲げ、腰を落としてから抱きかかえたり、下ろしたりする動作をしてもらうとそれだけで痛みが出なくなりました。

【痛みの確認】
後屈と仰向け寝で左腰に痛みが出ます。
前屈、左右側屈・回旋では痛みはありません。

【治療】
股関節揺らしを行うと仰向け寝の痛みが無くなりました。
膝倒しは気持ちいいそうなので、少しストレッチしました。
うつ伏せになってカエルを行おうとしたら、どちらの脚を持ち上げても痛みがありませんでした。
大腿前面と外旋筋のストレッチが気持ちいいそうなので、こちらもストレッチしました。

ここで起き上がって後屈してもらうと痛みがなく、むしろ前屈の時に右腰が気になるそうです。

圧痛のあった右屈伸にパイオネックス・イエローを貼付すると前屈の痛みも改善しました。

揺らしを行い、腸内ガスのために糖質制限食を、手荒れのためにワセリンでの保湿、メガネのフレームがずれていたので宮下さんの検眼を受けること、抱っこの仕方を変えるよう指示して治療を終了しました。