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発症当初は痛みで眠れなかったほどの左肩痛 40代男性

【症例】40代男性

【初回日】’15年4月4日(施術回数1回)

【現病歴】
3週間ほど前に激しく野球(右投げ)をして以来、左肩が痛み出した。
当初は痛みで眠れない程だった。
整形外科でヒアルロン酸注射やステロイド注射を受けたが、ほとんど改善していない。
痛み止めをのむなどして少しずつだが痛みは改善している。

【症状の確認】
屈曲(+)120°
外転(+)60°
水平屈曲(±)
水平伸展(-)
結髪動作(-)
結帯動作(-)
※角度の表記は可動域です。

腕を体の真横から上げる外転動作で60°しか挙上できません。
また肩甲骨の可動域は左右で大きな違いはありませんでした。

【施術】
施術方法の希望は特にありませんでしたが、大胸筋や大円筋といった部分を施術しやすいマッサージでの施術を提案し、了承をいただきました。
まず仰向けに寝てもらい、左の大胸筋、大円筋、巨骨穴部にマッサージを施しました。
筋肉が軟らかくなったのを確認した後、起き上がってもらい最初と同じように肩を動かしてもらいました。
体の前から腕を上げる(屈曲)での痛みが改善し、外転では90°まで挙上できるようになりました。
また勢いをつけて動かせば、外転では真上まで挙上できるようになりました。

次に座位のまま、左の巨骨穴、肩貞穴にパイオネックス・イエローを貼付しましたが、特に症状に変化はありませんでした。
更に患部周囲を触診し、左の肩髃穴と上腕二頭筋長頭筋起始部に圧痛を検出できたので、同点にパイオネックス・イエローを貼付したところ、わずかに痛みが改善しました。

以上で施術を終了し、極力患部を動かして血流を確保した方が治りは早いはずとお話しして、初回を終了しました。
施術後に着替えてもらった際、「服を着るのが、施術前よりも楽になった」とのことでした。

五十肩と診断された非利き腕側の左肩痛と挙上障害 50代女性

【症例】50代女性

【初回日】’16年7月8日(施術回数4回)

【現病歴】
2016年1月から不定期に左肩に違和感や冷えを感じるようになった。
同年4月から腕が上がらなくなった。
思い当たる節は特にない。
寝返り、起床時、不意に動かした際に痛みが走る。
5月に整形外科に掛かった際にレントゲン撮影をし、骨には異常が無く「五十肩でしょう」と言われた。
6月に整骨院に掛かった際には「姿勢の悪さが原因」と言われた。
利き腕は右。

【触診】
IMG_0337
〇:圧痛あり
×:圧痛なし

左右の頸部前面と前腕橈側部、更に左の前胸部、腋窩部(大円筋部)、合谷穴部に圧痛を検出できました。

【症状の確認】※°は可動域
屈曲(+)135°
外転(+)135°
水平屈曲(-)
水平伸展(+)0°
結髪動作(+)
結帯動作(+)

http://www.study-channel.com/2015/06/ROM-upper-limbs.htmlより

http://www.study-channel.com/2015/06/ROM-upper-limbs.htmlより

【施術】
施術方法に関する希望は特に頂かず、鍼施術の経験は無いとのことだったので、マッサージでの施術を提案し了解をいただきました。
まず、うつ伏せになってもらい、左の腋窩部と頚部、手部にマッサージを施しました。
次に仰向けになってもらい前胸部、腋窩部、前腕部にマッサージを施しました。
起き上がってもらい、可動域を測定すると下記の様になっていました。

屈曲:150°
外転:135°
水平伸展:10°

なお、結帯動作での痛みはまだ残っていましたが、結髪動作での痛みはかなり改善していました。
最後に触診時に圧痛を検出していた左合谷穴部にマッサージを施し、「肩痛の原因として、筋肉が硬くなってしまっていることが主な原因と思われる」と説明し、「極力、肩を動かすよう」指示して初回を終了しました。

《第2回》’16年7月11日(初回の3日後)

【経過】
「寝ている時がすごく楽だった」

【症状の確認】
屈曲(+)135°
外転(+)135°
水平屈曲(-)
水平伸展(-)
結髪動作(±)
結帯動作(+)

初回の施術前に痛みがあった水平伸展が痛み無く行えています。
ただ、屈曲と外転の可動域は初回の施術前の状態に戻っています。

【施術】
初回同様に肩周辺と関係するであろう部位にマッサージを施すことに徹してみることにしました。
まず仰向けになってもらい、左の合谷穴部と前胸部、腋窩部にマッサージを施しました。
次にうつ伏せになってもらい、左の腋窩部と頚肩部、左右の臀部にマッサージを施しました。
起き上がってもらい、可動域と痛みを確認したところ、下記の様になりました。

屈曲:150°
外転:150°
結髪動作(±)
結帯動作(+)

屈曲と外転の可動域が15°大きくなりましたが、結髪動作と結帯動作での痛みには変化はありませんでした。

《第3回》’16年7月15日(第2回の4日後)

【経過】
「7月12日の午前中に肩の前側に痛みが出た」
「寝起きのダルさもあるし、寝ている時にも痛むこともあった」

【症状の確認】
屈曲(+)135°
外転(+)120°
水平屈曲(-)
水平伸展(+)
結髪動作(+)
結帯動作(+)

初回の施術前に近い状態まで、状態が戻ってしまっています。

【施術】
この日はまずうつ伏せになってもらい、左の頸部、腋窩部、前腕、合谷穴部にマッサージを施しました。
次に仰向けになってもらい、腋窩部に更にマッサージを施しました。
筋肉がほぐれたことを確認してから起き上がってもらい、状態を確認すると以下の様になりました。

屈曲(+)150°
外転(+)150°
水平屈曲(-)
水平伸展(±)
結帯動作(+)

屈曲と外転の可動域は大きくなり、水平伸展の痛みも減りましたが、結帯動作での痛みや可動域には改善は見られませんでした。

《第4回》’16年7月21日(第3回の6日後)

【経過】
「かなり調子が良い」
「高い所に腕を伸ばす以外はほとんど痛みは無い」
「寝ている時も大丈夫」

【症状の確認】
屈曲(+)150°
外転(+)150°
水平屈曲(-)
水平伸展(+)
結髪動作(-)
結帯動作(+)

患者からの報告のとおり、施術前の状態は前回の第3回の施術後の状態に近く、今までで一番いい状態です。

【施術】
この日は仰向けになってもらい、左の前胸部、前腕部、手のひらと手の甲、腋窩部にマッサージを入念に施しました。
起き上がってもらい、状態を確認すると下記の様になっています。

屈曲(+)160°
外転(+)160°
水平伸展(±)
結帯動作(+)

屈曲と外転の可動域が少し改善し、水平伸展の痛みにも改善が見られましたが、結帯動作での痛みは変わりませんでした。

次に座位のまま、前胸部にストレッチを施しました。
すると、結帯動作での痛みがやや改善しました。

最後に前胸部のセルフ・ストレッチの方法を指導して施術を終了しました。

【所感】
当時は「肩関節の問題は、肩関節(肩甲上腕関節)周囲の筋肉の問題」と考えて施術していました。
本症例でも、大円筋や広背筋、大胸筋といった肩甲上腕関節をまたぐ筋肉をメインにマッサージを施しました。
この考え方でもある程度の改善は見られたので、大外れではないとは思いますが、現在(’18年2月現在)はもう少し違ったアプローチも採り入れています。

腕を上げる動作(挙上)は、肩甲上腕リズムの関係上、腕を90°以上挙上する際は肩甲骨が上方回旋するので、拮抗動作の下方回旋の主動作筋、特に肩甲挙筋に対するアプローチも重要になります。

下段中央が上方回旋です。

https://ameblo.jp/yoshi-hide0313/entry-12244453999.htmlより

https://ameblo.jp/apula-tokyo/entry-12298629003.htmlより

https://ameblo.jp/apula-tokyo/entry-12298626526.htmlより

本症例でも頚肩部にアプローチはしているのですが、明確に「肩甲挙筋」を狙って施術してはいませんでした。
別の症例で、首の寝違えと肩痛(肩関節屈曲の可動域制限)に関連がありそうだということを発見してからは、肩甲挙筋を狙って肩外兪穴部(肩甲挙筋の停止部)を刺激しています。
比較的早期に肩痛が改善することが多い印象です。