「ダイエットには糖質制限や脂質制限は関係なく、DNA検査もほとんど意味がないという研究結果が判明」について

「糖質も脂肪も摂取制限したところで、ダイエット効果に差はない」という論文が発表され、界隈では話題になっています。

ダイエットには糖質制限や脂質制限は関係なく、DNA検査もほとんど意味がないという研究結果が判明

今回はこの論文の「糖質制限と脂質制限での減量効果に差はない」という部分について一記事書いてみます。

結論としては、「この実験は余りにも管理がずさんで、糖質と脂質の摂取制限による減量効果の差を見誤っている」とさせてもらいます。
以下では、論文の実験方法その他について突っ込ませてもらいます。

まず、実験の方法と結論です。

体重超過状態(筆者注BMI28~40)にある18歳から50歳の成人男女609人について追跡調査を行うことでダイエット法と実際の体重変化の実態を明らかにしています。調査に参加した被験者はそれぞれ12カ月間にわたって低脂肪食をとるグループ(305人)または低炭水化物食をとるグループ(304人)に無作為に割り当てられ、研究チームはその変化記録を調査。
(中略)
その結果、研究チームはこれら2種類のダイエットの間には明確な結果の違いは認められなかったことを導き出しています。

要するに「太った人を609人集めて、クジ引きで低脂肪食と低糖質食を摂る2グループに分けて、1年間指定した食事を実践してもらったら、この2つの食事方法だと減量効果には差が無いことがわかりました」と言っています。
ちなみに、カロリーについては特に何も設定は無かったそうです。

この事については、やや長くなりますが夏井睦医師のご意見をご覧下さい。

600人の人間が12ヶ月間一日も休まずに低脂肪食や低糖質食を食べ続けました,という実験ですが,自分がこの実験の被験者だったらと想像すると,ムチャクチャ大変なんですよ。被験者は普通に生活している社会人や学生のはずです。つまり,出張もあれば旅行することもあればパーティーなどに参加することだってあるはずです。そういう状況下でも低脂肪食(低糖質食)だけ1年間食べました,というのはかなり不自然じゃないでしょうか。
もしも本当に「12ヶ月間,低脂肪食だけ」を実験しようとしたら,600人の被験者一人に一人の実験者がつきっきりで生活をともにし,本当に食べたものが低脂肪食だけであるということを証明する必要があるはずです。毎食ごとに食べたものの写真を送らせたとしても,ネットで拾った低脂肪食の写真を送って実際にはピザを食べていてもバレないんですよ。私が被験者となった普通のアメリカ人なら,絶対にウソの写真を送ってピザを食べますよ。
(中略)
この実験の「600人の人間に12ヶ月間,低糖質食か低脂肪食のみ食べさせる」という実験デザインは人間の本性を無視した机上の空論で,得られたデータはほぼいい加減,と考えるべきでしょう。

要するに、「実験そのものが被験者の善意に頼り過ぎていて、正確に低糖質と低脂肪の食事を摂れていたはずがない」という主張です。

恐らく、お礼の品などはあったかとは思いますが、1年間も今まで慣れ親しんだ食事を我慢して指定された食事を実践できる人なんて、そうそういるとは思えませんもんね。

ちなみに、どんな風に食事内容を確認していたのかと言うと、恐らく『被験者の食事内容に対しては、「こういう風にやってくださいね」という指導はしたが、イチイチ確認はしていない』です。
※原著論文を全部読んでいないので、もし間違っていたら指摘をお願いします。

実際の指導内容についてはこうありました。

研究の中では特定の食べ物に関する22種類のグループセッションが行われ、被験者との情報交換が行われたとのこと。その中では被験者に対し、栄養素の高い食べ物や最小限の加工が行われた食べ物をとることで低脂肪または低炭水化物な食事を実行することがレクチャーされており、野菜や自然食を多く食べることが薦められていた(後略)

要するに、
「あなたには低糖質(低脂質)な食事をしてもらいます。そしてどうすればその低糖質な食事が実践できるか指導もするから、各自お家でやってね♬ あと、指導する時に体重も計るからご協力お願いします。(その時にお礼の品もお渡しします)」
ってなところかと思います。

う~ん、「実験」と呼ぶにはだいぶ怪しい空気が流れてきました。

ちなみに、「減量効果には差が無い」というのが論文の結果でしたが、「低脂肪食のグループでは平均5.3kg減、低炭水化物食のグループでは平均6.0kg減」したそうです。

「何で低糖質と低脂肪の両方で同程度減量したの?」という声が聞こえてきそうです。
えっ「そんなことは言ってない」ですって?
そんなこと言わないで、もう少しお付き合いお願いします。

なぜ低糖質食と低脂肪食の両方で減量効果が得られたのでしょうか?
こちらのAFP通信の記事にその答えがあると思います。

減量の助けになると思われるのは、糖質と精粉(筆者注:refined grains精製小麦)(※を多量に含む加工食品)の摂取量を抑え、できるだけ多くの野菜と自然食品を食べるようにすることだという。

※抜け落ちていた文を追加しました。
「精粉」については、正確な訳語ではなさそうだったのですが、こちらの記事(英文)にてrefined grainsとの表記があったので、そちらを追記しました。

要するに「(糖質が多く含まれる)加工食品は摂らないようにしましょう」という指導が繰り返され、結果的に「低脂質グループも低糖質グループも糖質の摂取量が減ったことによって減量できた」のだと思います。

ここまで論文を読み進めてみると、どうやら「精製加工食品は体に良くない」という結論ありきで作成された論文のように見えてきてしまいます。
実際、「ポテトチップスや清涼飲料水といった明らかに不健康なものから、一見そうではない惣菜やシリアルといった加工食品は、体重増とがんなどの重大な健康リスクと強く関連があります。processed foods, ranging from the clearly unhealthy (potato chips and sugary drinks) to option that seem fine but are not (like deli meats and packaged cereals), have been increasingly tied to weight gain and serious health risks like cancer.」という記述もあります。

もちろん体重増や血糖値の上昇は様々な疾病リスクを増大させるので避けるべきですが、加工食品や総菜まで一括りにしてしまうのは、もはや「科学」を離れ「宗教」の様相を呈しているかと思います。

やや話が逸れてしまいましたが、最初にも書いたとおり、私自身は「この実験は余りにも管理がずさんで、糖質と脂質の摂取制限による減量効果の差を見誤っている」と思います。
皆さんはどう思われたでしょうか?

今回はこんなところでお開きにさせてもらいたいと思います。
長々をお付き合いいただきありがとうございました。

「ダイエットには糖質制限や脂質制限は関係なく、DNA検査もほとんど意味がないという研究結果が判明」について」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 2018年2月26日 | 川崎市多摩区|えばと鍼灸マッサージ院

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