トラップ動作に見るディ・マリア選手の身体能力

ロジカル・トレーニング

PSG所属のアンヘル・ディ・マリア選手がマルセイユ戦で見せた、後方からのボールに対して方向転換しながら行った流れるような超絶トラップ がこちら👇

動きが余りにも滑らか過ぎて、簡単な様に見えますが、よく見てみるともの凄い身体能力の成せる技だという事がわかります。
今回はこのトラップ動作から推測されるディ・マリア選手の身体能力について、視機能と解剖学の観点から簡単に解説させてもらいます。

1.正確な落下地点を予測できる高度な眼の能力

この場面、ディ・マリア選手は自分の右側にボールが来る事を期待して走り出しています。
しかし、出し手の技術不足か双方の意志疎通不足かは不明ですが、結果としてボールはディ・マリア選手の左側に来てしまいます。
ディ・マリア選手はスプリントした状態だったため、ボールから一度目を切らざるを得なくなります。

右後方から来たパスを目視(1度目)
パスが左にズレたため、一度ボールから目を切る
頭と体を左に回してボールを目視(2度目)

左に振り返ってから目視した瞬間をディ・マリア選手側から見ると、こんな感じです👇

この瞬間にはトラップのために左脚を上げ始めています

「目視した」と書いてはいますが、頭の向きからすると「視界に隅にわずかに捉えた」程度だったと思われます。
実際に元動画をコマ送り再生するとわかりますが、目視したであろう瞬間には、トラップのために左脚を上げ始めているので、この二度目の目視はボールとの距離を測る最終調整なだけで、眼を切る前までのボールの軌道で、ほとんど落下点は予測できていたと思われるのです。
スプリントした状態で、ボールの軌道と速度、回転を把握して、正確に落下地点に辿り着いている点に、ディ・マリア選手の眼の能力の高さが窺えます。
アメフトでレシーバーがボールを受ける時や、野球の守備でセンターの選手が後方へのフライに対して守る時にも同様の動きを見せますが、このディ・マリア選手の動きもそういった競技のトップ選手と遜色ない動き、つまりボールの軌道の予測ができていると思います。

2.脚を高く上げてもバランスを崩さない体幹部の柔軟性

さて次にトラップ動作そのものについてです。
トラップというと「技術」的要素が強いように思いますが、ここにもディ・マリア選手の身体能力の凄さが垣間見えます。

トラップの瞬間はほぼジャストミートして、ボールの勢いを上手く殺していますが、この場面のディ・マリア選手の動きで特筆すべきは、トラップはもちろん、その後もほとんどバランスを崩すことなく再び走り始めている点だと思います。

かなり高く左脚を上げていて、尚且つ肩はほぼ水平を保っていますが、どこにも無駄な力が入っていません。
この事がディ・マリア選手が流れるような動きをできている要因の1つだと思いますが、これを可能にしている要因として、右側腹部の柔軟性が非常に高いことが影響していると思います。

トラップ直前、最も左脚が高く上がった体勢

体幹部を大きく左側屈できているお陰で(分度器で測ったところ凡そ40°でした) 、骨盤は右に大きく傾いているにもかかわらず、肩は水平を保てています。
2本の緑線がそれぞれ肩と骨盤の凡その左右端(肩峰&上前腸骨棘)を結んだ線です。

この体幹部の大きな左側屈は、画像赤丸部の右側腹部(≒腹斜筋)が非常に柔軟でないと実現できないはずです。
力を入れずにこの可動域という事は、力を入れて側屈すれば、より大きな可動域を出す事もできるものと思われます。
この柔軟性のお陰で、余分な力を足に入れずに肩のラインを水平に保ったまま左脚を高く上げる事ができ、トラップ後もバランスを崩さないでいられるのだと思います。

以上が、今回のトラップ動作から窺い知れるディ・マリア選手の身体能力の一部です。
視機能と側腹部の柔軟性が如何に大事か、ご理解いただけたでしょうか?
もちろん、側腹部の柔軟性を活かしきるには、土台である骨盤を安定させるためにも、お尻の筋肉が非常に重要になります。

おわり
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