指2本分しか開かない顎関節症による開口障害  30代女性

【症例】30代女性 川崎市多摩区在住

【初診日】2014年1月7日初診(施術回数2回)

【現病歴】
2013年12月25日にふとアクビをしてから左の顎がズキズキと痛み、普段は指3本分開くが現在は指2本分しか口が開かなくなってしまった。
何かの拍子に開くことがあるが、何の拍子なのかがわからない。
それまでも大きく開けようとするとカクンと音がすることはあった。
当時は仕事で多忙だった。

歯医者では体操と姿勢の指導を受け、レントゲン撮影はしていない。
整骨院では体が歪んでいるので、顎の問題ではないと言われ、接骨院では首がねじれていると言われて施術を受けたが改善が無かった。

「初診」
【症状の確認】
口を開けようとすると痛みがあり、指2本分が精一杯のようです。
アントニオ猪木さんみたいな感じに下顎を前方に動かそうとしても同じ場所に痛みが生じます。

【治療】
左側頭部から左顔面部に圧痛があるコリがないか触診しました。
すると太陽と大迎に3・4点の圧痛点を検知しましたので、同点にパイオネックスのブルーとイエローを貼付しました。
すると「少し開くようになった」そうです。

左中渚・H5・衝陽・外衝陽・足臨泣・合谷・腕骨を刺激しましたが、特に変化はありませんでした。

次に首周囲を触診すると、胸鎖乳突筋前縁に圧痛を検知したので、6箇所にパイオネックス・イエローを貼付しました。

これで下顎が少し前に動かせるようになったようですが、口の開き具合に変化はありません。

患者自身が痛みを感じるという、乳様突起周囲を触診すると翳風に圧痛を検知したので、同点にパイオネックス・イエローを貼付しました。
すると痛みが聴宮に移動しました。
聴宮にも圧痛を検知したので、パイオネックス・イエローを貼付しましたが、特に変化はありませんでした。

治療後は「痛みはまだあるが、顎を前に動かせるようになった」そうです。
顎関節の動きに関連する筋肉を刺激すると改善が見られたので、家でもマッサージするよう指導して初診を終了しました。

「第2診(1月12日)」
【経過】
「前回治療後から顎を押さえながら口を開けると、今までどおりに口が開くことが何度かあった。」
「一度開いても指を離すと元に戻ってしまう」
「お風呂に入っている時は開くことが多い」

【症状の確認】
前回終了時と同様、指2本分しか口が開かない。
痛みは前回ほどではないとのこと。

首を前屈・後屈・左右側屈・左右回旋させながら口を開いても特に変化はない。

【治療】
左右三陰交・左太陽を指圧しながら口を開けてもらうが、特に変化は見られない。

側臥位で左側頭部を広範囲に単刺するが、これも変化無し。

ここで患者さん自身にどこを押しながらだと、指3本分開けられるか探してもらいました。

指し示してもらったポイントを私が押さえながら開けてもらっても同様に開いたので、同点に口を開けた状態のままパイネックス・イエローを貼付。
すると指を離しても指3本分口が開くようになりました。
何度確認しても問題なく口が開きました。
これには患者さんはもちろん私もビックリ。

鍼の効果なのか、それともシールを貼っている効果なのかよくわからないことを伝え、もしパイオネックスが剥がれてしまった時に症状が再発してしまった場合は、まずは自分で口が開く点を見つけ、そこにパイオネックスかピソマを貼ってみるよう伝え、治療を終了しました。

【その後】
2週間後に電話で様子を伺ったところ、「いつ元に戻ってしまうかと不安だったが日に日に状態は良くなった。硬い物を食べる時には気を付けているが、開かなくなったり痛んだりすることはない」とのことでした。

【感想とか】
筋緊張を緩めるという点では貢献できたかもしれませんが、私がやったことは患者さんが見つけた改善点に鍼を貼るだけでした。
患者さん自身の発見が無かったら、これほど早く症状は改善しなかったと思います。

やはり治療は受け身ではなく、患者さん自身が「治りたい」と思い、能動的に行動した方が治癒も早いのでしょう。