【症例】30代男性 消防士 川崎市多摩区在住
【初診日】’15年5月11日(施術回数2回)
【現病歴】
昨日から左脚の付け根(鼡径部)に痛みを感じだし、安静にしている。
今朝よりは痛みはマシになってきたが、まだかなり痛む。
ここのところ疲労が貯まっていたことが原因として考えられる。
痛みが改善することは、特に思い当たらない。
近々、消防技能を競う大会があるので、なるべく早く痛みを無くしたい。
【既往歴】
20歳:左足甲の骨折
【症状の確認】
〈立位〉
前屈(-)※左腰に痛みが出ます
後屈(+)
側屈:右(-)左(-)
回旋:右(+)左(-)
〈仰臥位〉
足上げ:右(-)左(++)
上体起こし(-)
【触診】
◎:強圧痛あり
○:圧痛あり
【施術】
施術方法そのものに対する希望は特になく、「鍼治療は中学生の時に2回受けただけ」ということだったので、ストレッチとマッサージによる施術を試みました。
左臀筋のストレッチ、左鼡径部のマッサージ、左大腿内側上部の圧痛部位へのマッサージそれぞれで痛みが少し改善しました。
左大腿内側の膝のすぐ上の圧痛部位に対するマッサージではほとんど改善が見られませんでした。
ここで再度症状の確認を行うと、前屈での腰痛、右回旋での鼡径部の痛みは改善していましたが、後屈での痛みがまだ残っていました。
しかし歩いてみてもらったところ、「楽に歩ける」とのことでした。
最後に臀筋と鼡径部のストレッチを指示して初診を終了しました。
「第2診」’15年5月13日(初診の2日後)
【経過】
「歩きは問題無くなった。アップを十分に行えば走ることもできた。」
【症状の確認】
〈立位〉
前屈(-)
後屈(±)
側屈:右(-)左(-)
回旋:右(±)左(-)
〈仰臥位〉
足上げ:左(+)
【施術】
股関節揺らし、左臀筋のストレッチを施し、それぞれで足上げの痛みが少し改善しましたが、スッキリは取り切れません。
次に鼡径部に直接指圧を十分に施しました。
すると足上げでの痛みが減り、力も入るようになりました。
立ち上がってもらって痛みを確認すると、後屈での痛みは残るものの、右回旋での痛みは無くなっていました。
【その後】
同年6月9日に腰痛で来院された際に鼡径部の状態を伺うと、「大会は無事できた。今は腰の方が気になる。」とのことだったので、鼡径部は略治として腰痛に対する施術を施しました。