キック時に生じる右鼡径部痛 10代男性

症例報告

【症例】10代男性 サッカー部員

【初回日】2018年5月26日(施術回数4回)

【現病歴】
2018年4月30日頃から右内腿の辺りが痛むようになった。
痛みはキネシオテープを貼ると楽になる。
ボールを蹴る時に痛みが出る。
医者には掛かっていない。

【要望その他】
6月下旬には試合があり、8月には大きな大会があるので、それまでに痛みを何とかしたい。

【副訴】
・右ふくらはぎの痛み
2018年5月から痛み出すようになった。

・左右の膝痛
2018年4月から外側に痛みがある。

【症状の確認】
「右鼡径部」
前後開脚での鼡径部のストレッチ:右(+)左(-)
シュートのインパクト体勢での徒手抵抗(+)
仰臥位での伸膝での下肢挙上+徒手抵抗(+)

「右ふくらはぎ」
アキレス腱伸ばし:右(-)左(-)
つま先立ち:右(+)左(-)

「左右の膝」
大腿後面のストレッチ:右(+)左(+)

【片脚立ちバランス】
片脚立ちでのふらつき:右(-)左(+)

【触診】

◎:強圧痛あり
〇:圧痛あり
×:圧痛なし

右鼡径部周囲に強圧痛と圧痛が検出できました。
左には圧痛は検出できませんでした。

【施術】
痛みが緩和されれば手段は何でも構わないとのことだったので、まずは仰向けになってもらい、右臀部にストレッチを施しました。
次に右足の甲にマッサージを施し、右のF2・2’にソフトピソマ、崑崙と太谿にハペパッチを貼付しました。
ここで施術前の確認と同様に、右膝を伸ばした状態での下肢挙上動作に徒手抵抗を加えたテストをしてみましたが、右鼡径部の痛みが改善し違和感のみになったそうです。
この後、左臀部にストレッチを施して、起き上がってもらいました。
シュートのインパクト体勢での徒手抵抗での痛みが改善し、鼡径部のストレッチ時の痛みは無くなったそうです。
副訴であった、右ふくらはぎのつま先立ちでの痛みも改善したそうです。
最後に左右の臀部のストレッチを指導し、第1回を終了しました。


《第2回》2018年5月30日(初回の4日後)

【経過】
「鼡径部は痛みの範囲は狭まったが、上の方にまだ痛みが残る」
「右ふくらはぎはほとんど痛みは無い」
「膝の痛みは、音が鳴るなど、関節の中に感じる」

【症状の確認】
鼡径部のストレッチ(+)
シュートのインパクト体勢での徒手抵抗(+)
仰臥位での伸膝での下肢挙上+徒手抵抗(+)

「右膝」
腿裏のストレッチ(-)
両脚スクワットジャンプ(-)
片脚スクワット(+)

【施術】
初回同様、右F2・2’にソフトピソマを貼付し、その後、右臀部のストレッチを施しましたが、どちらも伸膝での下肢挙上動作に徒手抵抗を加えたテストでの痛みには改善が見られませんでした。
仰向けのまま、初回の触診時に圧痛を検出していた右鼡径部に、圧痛が減弱するまでマッサージを施しました。
ここで再度先程の下肢挙上動作を行ってもらった所、痛みが消失していました。
右大腿と下腿の後面にストレッチを施し、起き上がってもらい、痛みを確認したところ、鼡径部のストレッチ、シュートのインパクト体勢での徒手抵抗の両方共に痛みが消失していました。
鼡径部のストレッチを行うよう指示して、第2回を終了しました。


《第3回》2018年6月2日(第2回の3日後)

【経過】
「まだ上の方にだけ痛みが残る」
「練習後に、直後ではなく体が冷えた頃に痛みが出てくる」
「左膝にピキッとした痛みを感じる事はあったが、練習は痛みは無い」
「右ふくらはぎにも痛みは無い」

【症状の確認】
鼡径部のストレッチ:右(-)
シュートのインパクト体勢での徒手抵抗(+)

「膝」
片脚スクワット:右(-)左(-)
片脚スクワットジャンプ:右(-)左(+)

【片脚立ちバランス】
片脚スクワットでのふらつき:右(-)左(+)

【施術】
第2回よりも痛みが出る体勢は減っていたので、この日はまずは右鼡径部のストレッチと右大腿前面のストレッチを行ってもらいました。
すると、最初に確認したインパクト体勢での痛みが改善しました。
次に仰向けになってもらい、第2回と同様、右鼡径部にマッサージ、左臀部にストレッチを施しました。
ここで再度痛みの確認を行った所、インパクト体勢での右鼡径部の痛み、左片脚スクワットジャンプでの痛みが共に消失していました。
再発予防の為の、左臀筋のストレッチと左脚を前にしたスプリット・スクワットを習得してもらい、家でも行うよう指示して第3回を終了しました。


《第4回》2018年6月8日(第3回の6日後)

【経過】
「右鼡径部の内側と右膝の外側が痛む」
「右鼡径部の痛みは走った時に感じる」
「左膝は痛みは無い」

【症状の確認】
右鼡径部のストレッチ(-)
シュートのインパクト体勢での徒手抵抗(-)
右鼡径部のストレッチ+上半身の左側屈(+)
仰臥位での伸膝での下肢挙上+徒手抵抗(+)

「膝」
片脚スクワット:右(+)左(+)
ハムストリングのストレッチ:右(+)左(-)
※問診時は右膝のみの痛みの訴えでしたが、左膝にも痛みが確認できました

【施術】
右の太谿穴、F3・4にソフトピソマを貼付したところ、仰臥位での伸膝での下肢挙上+徒手抵抗での痛みが改善しました。
次に右鼡径部にマッサージ、左右の臀筋にストレッチを施しました。
これで先程の下肢挙上での痛みが消失しました。
起き上がってもらい、右鼡径部のストレッチ+上半身の左側屈をしてもらいましたが、こちらも痛みは消失していました。
同時に、片脚スクワットとハムストリングのストレッチでの膝の痛みも消失していました。
引き続き、左臀筋のストレッチと左脚前のスプリット・スクワットを家で行うよう指示して第4回を終了しました。

【その後】
第4回から8日後の6月16日にも来院してもらいましたが、この時には「プレイ中もプレイ後も痛みは無く、シュートでミートし切れなかった時も痛みは出ない」とのことだったので、この日は怪我予防&パフォーマンス向上のためのトレーニング指導を行いました。
この日以降、月に一度程度のペースで、トレーニング指導のために来院してもらっていますが、右鼡径部に痛みを訴える事はありません。

コメント

  1. […] ・症例報告に「キック時に生じる右鼡径部痛 10代男性」を追加。 […]

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