「腰痛になった時に受ける治療は患者の好みのものでいい」??? 米国内科学会ガイドラインより

エビデンス

鍼は腰痛に対して効果があるのだろうか?

日々、痛みにお困りの方に対して鍼やマッサージを行っていると、「自分が行っている事は本当に意味があるんだろうか?」と考える事があります。
例えば、腰痛でお困りの方に鍼やマッサージを施して、直後に痛みが大幅に減った様に見える事がありますが、そんな時も

「この痛みは、私が施術を行わなかったら、ずっと続いていたのだろうか?」
「時間を短縮する手助けくらいにはなっているのかな?」

などと、短期的・長期的効果について疑問に思う事があります。
また、鍼をした時とマッサージやストレッチをした時とで、少なくとも直後効果に差があるようには思えませんでした。

「施術してる側が疑問を持ってどうする?」
「自信が無いなら、やめちまえ」

なんて声も聞こえてきそうですが、実際の臨床の場面では、鍼施術以外にも、様々な刺激が患者に与えられてしまうので、「腰痛に対して鍼が有効かどうか」については、実ははっきりした結論を出しにくいのです。

もちろん、私自身、上にも書いたとおり、施術直後に痛みがかなり減った様に見える事もありましたし、施術師によっては「私の施術で治った」などと主張する方もいると思いますが、「恋は目盲」よろしく、人間の思い込みは強烈なので、こういった場合は、科学の力を借りるに限ります。

治療の効果について疑問を持ったら、とりあえず科学の力を借りてみる

科学の力を借りて、つまり思い込みを極力排して、純粋に鍼の効果だけを検証するとなった場合、個々の症例報告よりも、介入(鍼やマッサージ、運動療法等を対象に施す事)の方法や期間、評価方法、対象の絞り方などを予め定めた観察研究や実験的研究の方が参考にしやすいです。
また、こういった個々の観察研究や実験的研究を網羅的に集めたものにシステマティックレビューと呼ばれる論文があります。
しかも、それらの研究や論文を世界中からかき集めて、国の制度や医療状況、患者のメリット、デメリットを考慮したものにガイドラインというものがあります。
便利な世の中です。

ガイドラインの定義も載せておきます。

診療上の重要度の高い医療行為について、エビデンスのシステマティックレビューとその総体評価、益と害のバランスなどを考量して、患者と医療者の意思決定を支援するために最適と考えられる推奨を提示する文書。

福井次矢・山口直人監修『Minds診療ガイドライン作成の手引き2014』医学書院.2014.3頁

「じゃあ、そのガイドラインとやらを見れば、費用対効果含め、効果があるかどうかとかは一目瞭然なのでは?」
といった声が聞こえてきそうですが、実は腰痛に対するガイドラインは、世界中の様々な医療団体から発表されていて、国によって医療制度に違いがある関係もあり、結論に差があったり、同じ団体から出されているガイドラインでも、作成年によって内容に変更がある場合もあるんです。

英国国立医療技術評価機構(NICE)の(腰痛の※筆者注)診療ガイドラインは、2009年版は鍼を推奨(consider offering)していたが、2016年版ではパラセタモール(アセトアミノフェン)とともに推奨しない(do not offer)に転じている。

『腰痛診察ガイドライン2019の鍼治療に関する誤情報』全日本鍼灸学会雑誌, 2019年69 巻3号, 161

研究手法は日々進化しているので、それに伴って結果が変わる事は、当たり前と言えば当たり前の事ですね。
もちろん、ガイドラインと言っても、人間が作ったものなのでミスがあったりもします。

ガイドライン自体が数多くある中、この記事では、鍼灸業界が拠り所としているであろうと私が考えたガイドラインについて紹介してみたいと思います。
このガイドラインが「鍼は有効」としていて、且つその内容も納得のいくものであれば、次はその反対の意見を唱えているガイドライン等を読み進めれば、より広範な知見を得られるはずです。

「鍼灸業界が出しているガイドラインは無いの?」
とお思いの方もいるかもですが、残念ながら私が調べた限り、鍼灸業界から腰痛等に対するガイドラインは出されていません。
と言うよりか、基本的に鍼とお灸しか介入の手段が無い業界は、様々な方法を比較検討した上で作成すべき「ガイドライン」を作成するには不適格な様に思います。

「同じ鍼でも、刺すor刺さないなど色々な方法がある」
という反論もありそうですが、そこは「同一のもの」とみなして、ここでは話を進めさせてもらいます。

ちなみに、理学療法士は物理療法や運動療法など様々な手段を持っている関係か、ガイドラインを作成しています。

米国内科学会の腰痛ガイドラインを紹介する理由

話を元に戻します。
鍼灸業界が拠り所にしているであろう腰痛に対するガイドラインとして、今回は2017年4月に発表された米国内科学会(American College of Physicians)のガイドライン『Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians』(急性、亜急性、慢性腰痛に対する非侵襲的治療:米国医師会による臨床実践ガイドライン※deepL訳)(以下、『米内科学会ガイドライン』)を取り上げてみます。
※以下、和訳文は全てdeepLで作成しています。

何故、この『米内科学会ガイドライン』を「鍼灸業界が拠り所としている」と考えたかと言うと、このガイドラインは全日本鍼灸学会という鍼灸の学術団体が学会誌に掲載した『腰痛診療ガイドライン2019の鍼治療に関する誤情報』(以下、『ガイドライン鍼誤情報』)という論考の中で、下記のとおりに鍼が腰痛に対して推奨される根拠として紹介されているのです。

米国内科学会(American College of Physicians)の急性・亜急性・慢性腰痛に対する非侵襲的療法の診療ガイドラインで、鍼治療は急性または亜急性の腰痛について低い質のエビデンス(low-quality evidence)をもって強く推奨(strong recommendation)、慢性腰痛については中等度の質のエビデンス(moderate-quality evidence)をもって強く推奨されている。

急性、亜急性腰痛に対する「低い質のエビデンス」という文言が若干気になるものの、急性から慢性まで「鍼治療は強く推奨されている」と中々威勢のいいコメントです。

そして、この『ガイドライン鍼誤情報』の中で「誤情報を掲載している」とされているガイドライン『腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)』を作成したのが、腰痛に対して日本で最大の権威を誇ると思われる日本整形外科学会日本腰痛学会なのです。

そんな強大な相手に対して、wiki情報ではあるものの、日本における鍼灸系学術団体の中で最大規模の組織である全日本鍼灸学会が生半可な情報源を載せるとは思えませんので、全日本鍼灸学会としてもそれなりの自信や覚悟があって、米国内科学会のガイドラインを掲載しているはずなのです。
(「そんな権威中の権威っぽいところが作ったガイドラインに誤情報なんてあるの?」と思われた方もいると思いますが、先ほども書きましたが、結局作るのは人間なので、そういう事もあるようです。詳しくは、無料公開されている『腰痛ガイドライン鍼誤情報』をご覧下さい。)

言葉が重複していたりしてややこしい部分があると思うので、上記の流れを整理した図を載せておきます。

『米内科学会ガイドライン』を全日本鍼灸学会が引用した流れ

「ガイドラインで強く推奨されているという事は、当然、鍼は腰痛に効果があるんじゃないの?」

と思われた方もいると思いますが、事はそう単純ではないようです。
前置きが長くなりましたが、それではガイドラインの内容を見ていきましょう。

ガイドラインの「強く推奨する」の中身

『米内科学会ガイドライン』の冒頭の概要abstractに、いきなり全日本鍼灸学会が紹介した急性・亜急性腰痛に対して”強く推奨する(strong recommendation)”とされた推奨内容が載っています。
※以下、注釈の無い引用文は全て『Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians』とDeepLの和訳です。

Given that most patients with acute or subacute low back pain improve over time regardless of treatment, clinicians and patients should select nonpharmacologic treatment with superficial heat (moderate-quality evidence), massage, acupuncture, or spinal manipulation (low-quality evidence).
急性または亜急性の腰痛患者のほとんどは、治療にかかわらず時間の経過とともに改善することを考えると、臨床家と患者は、表面的な温熱(中等質のエビデンス)、マッサージ、鍼治療、または脊椎マニピュレーション(低質のエビデンス)による非薬理学的治療を選択すべきである。

「急性または亜急性の腰痛患者のほとんどは、治療にかかわらず時間の経過とともに改善する」

「???こんな内容のガイドラインを、鍼灸業界は根拠にしてていいのか???」

と突っ込みたくなる内容です。
ちなみに、上記の文章のすぐ後に、「薬物療法を希望する場合は、非ステロイド系抗炎症剤か筋弛緩剤を選択すべき」と続きます。

「もっとちゃんと『鍼は腰痛に有効だ』みたいな文章があるんでしょ?」

と思いたいところですが、急性・亜急性の腰痛に対しては、鍼単独の解説部分にも下記のようにあるだけです。

Low-quality evidence showed that acupuncture resulted in a small decrease in pain intensity compared with sham acupuncture with nonpenetrating needles, but there were no clear effects on function . Low-quality evidence showed that acupuncture slightly increased the likelihood of overall improvement compared with NSAIDs.
低品質のエビデンスでは、鍼治療は非貫通鍼を用いた偽鍼治療と比較して痛みの強度をわずかに減少させることが示されたが、機能に対する明確な効果はなかった。低品質のエビデンスは、鍼治療はNSAIDs※と比較して全体的な改善の可能性をわずかに増加させることを示した。
※非ステロイド性抗炎症薬

皮膚を貫通させた鍼治療と、貫通させなかった偽の鍼治療の比較では、貫通させた方が痛みの強度をわずかに減少させ、NSAIDsと比較しても全体的に改善の可能性をわずかに増加させたようです。
「わずかに」という言葉の持つ意味に解釈の幅がありますが、少なくとも比較して明らかな改善の差は確認できなかったようです。

「まだ慢性腰痛が残っているから、そっちでもっといい内容があるはず」

と鍼に希望を見出したい人間なら誰でも思いたいところです。

もちろん、慢性腰痛患者に対する推奨内容がこのすぐ後に続きます。

For patients with chronic low back pain, clinicians and patients should initially select nonpharmacologic treatment with exercise, multidisciplinary rehabilitation, acupuncture, mindfulness-based stress reduction (moderate-quality evidence), tai chi, yoga, motor control exercise, progressive relaxation, electromyography biofeedback, low-level laser therapy, operant therapy, cognitive behavioral therapy, or spinal manipulation (low-quality evidence).
慢性腰痛患者に対しては、臨床家および患者は、最初に運動、集学的リハビリテーション、鍼治療、マインドフルネスに基づくストレス軽減(中等質のエビデンス)、太極拳、ヨガ、運動制御運動、漸進的リラクゼーション、筋電図バイオフィードバック、低レベルレーザー療法、オペラント療法、認知行動療法、または脊椎マニピュレーション(低質のエビデンス)による非薬理学的治療を選択すべきである。
※太字強調は筆者による

「鍼は中等質のエビデンスもあるらしいし、慢性の腰痛に対しては有効みたい」
という文章の様に見えます。
ただ、その他大勢というか、様々な治療法と並列な扱いの様に見えますね。

さすがにこの文章だけだと、鍼も含めた多くの療法が有効なのかよくわかりません。
ガイドラインを読み進めると、また別の表現をしてくれている部分が、後半の高価値なケアHigh-Value Careにありました。

For treatment of chronic low back pain, clinicians should select therapies that have the fewest harms and lowest costs because there were no clear comparative advantages for most treatments compared with one another.
慢性腰痛の治療については、ほとんどの治療法で明確な比較優位性がなかったため、臨床家は、最も被害が少なく、費用も安い治療法を選択すべきである。

「ほとんどの治療法で明確な比較優位性がなかった」

はっきりと書いてくれてますね…。
「鍼灸が最も優れている!」と思っていた施術者にとっては受け入れがたい内容ですが、現時点での科学的結論の1つとして受け入れざるを得ないと私は思います。

じゃあ、腰痛になったらどうすれば良いの?

では、施術者や患者は腰痛に対して、どう対処すればいいのでしょうか?
答えはガイドラインの中での、急性・亜急性の腰痛に関しての言及ですが、下記引用文にあると私は思います。

Clinicians and patients should use a shared decision-making approach to select the
most appropriate treatment based on patient preferences, availability, harms, and costs of the interventions.
臨床医と患者は、患者の嗜好、利用可能性、有害性、介入のコストに基づいて最も適切な治療法を選択するために、共通の意思決定アプローチを用いるべきである。

簡単に言うと
「医療者は患者にとって心身や経済的負担とならず、且つ患者の好みに合致した治療を、双方合意の上で選択するべき」
となり、上記引用文には
「腰痛に対しては、(薬物療法よりも低リスクで、最初に取り組むべき)物理療法はどれも差が無いのだから、治療法は患者の好みのものでOK」
「施術者が治療法を押し付けてはいけない」
などといった意味も暗に含まれていると私には感じられてしまいます。

なので、腰痛になってしまった際には、運動が好きな人は体操やストレッチなど動ける範囲で体を動かしてみればいいですし、運動が嫌いで誰かに何かしてもらいたいという方はマッサージや鍼を受けてもらえばいいですし、運動が嫌いで且つお金を掛けたくない人はネットで温めグッズを購入して患部を温めておらえればいいですし、セルフでもいいからマッサージに似た刺激を味わいたいという方は、マッサージガンなどを活用してもらえばいいのかと思います。

ちなみに、鍼灸マッサージ師である私個人の感覚でも、冒頭にも書いた通り、急性・亜急性・慢性を問わず、鍼も灸もマッサージもその他の療法にも特別に腰痛改善に対して優れている点があるとは思っていません。
なので、患者さんが希望する方法、もしくは不快でなさそうな方法で施術して、且つ患者さんが納得できる直後効果があればとりあえずOKかなと考えています。

ちなみに、日本整形外科学会と日本腰痛学会が監修している『腰痛診療ガイドライン2019』は全文無料で公開されていて、現在、日本の整形外科で行われている牽引療法や超音波療法、電気刺激(TENS)、腰椎サポート(コルセット)の推奨度やエビデンスの強さについても議論されているので、ご興味がある方はご覧になってみて下さい。

内科学会のガイドラインってあてになるの?

ここからは、ガイドラインそのものの内容からは少し離れた話を進めてみたいと思います。

「そもそも腰痛って整形外科疾患なのに、何で内科学会のガイドラインを根拠にしてるの?」
という疑問が聞こえてきそうなので、私の見解を簡単に載せておきます。

全日本鍼灸学会が米国内科学会のガイドラインを取り上げた根拠は全く不明です。鍼の評価が高いガイドラインを単純に引用しただけかもしれません(小声
ただ、日本でも腰や膝が痛くなった時に、痛み止めの薬を飲む人はそれなりの数に上る様に、アメリカでも痛み止めを所望する腰痛患者はそれなりの数に上ると思われます。
実際、ガイドライン中にはこうあります。

Low back pain is one of the most common reasons for physician visits in the United States.
腰痛は、米国で医師の診察を受ける最も一般的な理由の一つです。

外科医surgeonではなく、医師or内科医を表すphysicianと表現している事からは、薬を求めて内科医を訪ねてくる患者もいる事がうかがわれます。
そういった状況を鑑みて、内科学会としてガイドラインを作成しているのではないでしょうか。

また、冒頭にも少し言及したように、鍼施術をしている人間なら多くの人間が「鍼は腰痛に有効だ」と思いたくなるように、もろに利害関係がある当事者が適不適を判断しようとすると、思い入れが入って判断を誤ってしまう危険性が高まります。
そういった意味では、より客観的視点を持ちやすいと思われる内科学会が、腰痛に対する治療法を評価してくれているのは非常にありがたいと思います。
もちろん、私の見当違いで、米国の内科医が日本の内科医よりも腰痛を診る機会が多く、もろに利害関係者になっている可能性もあるので、私の意見も鵜呑みにはしないでください。
ただ、内科医の団体が伝化の宝刀とも言える薬の処方を差し置いて、「より低リスクな治療法」として鍼やマッサージ、運動療法等を推奨している点は注目すべき点かと思います。

アメリカのガイドラインを参考にする際の注意点

「アメリカと日本の医療や保険の制度は異なるから、そこも考慮するべきでは?」
という声が聞こえてきそうなので、この点についても私個人の見解を簡単に述べさせてもらいます。

まずアメリカの医療保険制度の現状確認です。

アメリカの公的医療保険は、65歳以上の高齢者や障害者、低所得者のみを対象とするものであり、現役世代は民間の医療保険にて備えるのが一般的です。

海外の医療保険事情~アメリカ編~貧血で220万円!?補償額の上限に注意! 保険市場

国勢調査局(US Census Bureau)の最新の統計結果によると、2016年の保険未加入者は全米で約2,810万人(国民の約8.8%)となっている。

アメリカにおける健康保険と医療事情 ジョージア日本人商工会

上記からは現役世代の多くは民間の保険に入っている事がわかります。
恐らく、治療法によって明確な差がほとんど無い事は、お金にシビアな保険会社は把握済みだと思われます。
この前提に立った上で、且つ理学療法士に運動療法を処方してもらう事も、鍼灸師に鍼をしてもらう事も、マッサージ師にマッサージしてもらう事のいずれも、掛かる人手がそれほど変わらない事実から、保険の範囲内でこれらを受ける際の施術料=自己負担額+保険会社の負担額はそれほど変わらないのだろうと思います。
また、赤外線照射などの温熱療法や、レーザー照射では機材が必要ですが、やり方によっては人手は省けるので、その分は割安になるかもしれません。しかし、医師の診察が必要になった場合、その分だけ費用が高額になるという状況もあるかもしれません。
むしろ、保険をすっ飛ばして、自費の鍼灸やマッサージを受けた方が、医師の診察が要らないので割安かもしれません。
無保険の人が専門家の処置や治療を受けようと思った際には、自費の鍼灸orマッサージが最安という可能性は高いかもしれません。

以上の推察から、アメリカで腰痛になった際に病医院等で専門家から受ける治療法で、コスト面で最も割安なのは「自費の鍼orマッサージ」の可能性があり、それだけ推奨度も高いと言えるかもしれません。
※流石に自費の鍼orマッサージを、医師の関連団体が作成するガイドラインで推奨するとは思えないので、他の治療法と並列な扱いになっているのかもしれません。

一方、日本では、赤外線照射や理学療法士による運動療法であれば、ほとんど全て医師の指示の下、保険適応できますし、その医師の診察・診断も皆保険等のお陰で非常に割安です。
鍼施術も、腰痛症(慢性腰痛)に対してであれば、医師の同意書があれば保険適応できますが、急性・亜急性の腰痛では自費でしか受けられないのが現状です。
以上から、日本で腰痛になった際に鍼施術を受ける事は、金銭的負担が他の治療法より大きくなってしまう事が多いはずです。それ故に、腰痛に対する鍼施術の推奨度はやや下がってしまうと言えるでしょう。

鍼が特別に有効な可能性も残ってはいますが・・・

一応、もしかしたら鍼が腰痛に対して特別に効果があるかもしれない、という話もさせてもらいます。
鍼の研究を行う際、多くの場合、本当の鍼施術を受けるグループと偽の鍼施術を受けるグループを設けるなどして、効果の比較検討を行います。

「そりゃ、当然やな」

ってトコですが、この「本当の鍼」と「偽の(シャム)鍼」をどう設定するかが結構な難題になっています。
この辺りについては、本題から大きく逸れてしまいますので、詳しく知りたい方は、「鍼 研究 シャム 問題」などでググって頂いたり、下記記事が比較的まとめっていたと思いますのでお読みいただけると幸いです。

研究者を悩ます「偽鍼」の問題 | Art dry-needling&massage
ツイート 研究者を悩ます「偽鍼」の問題について   鍼の効果についての論文などで「偽鍼」・「シャム鍼」が出てきますが、何のこと?という疑問が出ると思われます。 研究者を悩ますこの問題について...

もしかしたら、将来、この問題が解決されて「鍼は腰痛に特別に有効」という研究結果が発表される可能性も残されてはいます。
が、一物理療法に過ぎない鍼が、他の方法と比較して人体に特殊な変化を生じさせているとは思えないので、このシャム鍼の問題が解決されても、結論は現状とあまり変わらないだろうと、私自身は考えています。


以上、腰痛でお悩みの方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
また、鍼に対して厳しい見解が多くなってしまいましたが、「腰痛に対する鍼治療研究の現状」の1つの見解として考えてもらえれば幸いです。

もちろん、今回紹介したガイドラインに当てはまらない方もいると思いますので、ご自身の腰痛に対して「どうすればいいかわからない」とお困りの方は、まずはお医者様の診断を受け、それでも解決できない時には、当院のオンライン個別相談等をご利用頂けるといいのかと思います。

以上の文章を少し短縮して紹介した動画も作ってみました。
お時間ある方はご覧頂けると幸いです。

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