シンスプリントの原因は・・・。

シンスプリントの原因は「ヒラメ筋や長趾屈筋、後脛骨筋、長母指屈筋による脛骨過労性骨膜炎」などと言われていますが、私の治療経験からすると足の親指を刺激することでほとんどの場合、痛みが改善もしくは消失します。

なぜ上記の筋肉が原因として挙げられているかは、以下の誤解から生じたものだと考えます。

シンスプリントと診断される痛みは、つま先立ちやジャンプで親指が地面から離れる際に脛の内側に痛みを感じるケースが多いです。
これら2つの動きに共通する「下腿の底屈動作」と「脛骨内側の痛み」という事実から、これらの動きを担いかつ付着部もそれらしいヒラメ筋や長趾屈筋、後脛骨筋といった筋肉が痛みの原因筋とされてしまっているのだと思います。

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※赤丸で囲っているのが該当筋肉です

しかしシンスプリントと診断されたほとんどの症例でつま先立ちやジャンプの際に最も負担のかかる親指の先端や爪の付け根に、脛そのものを押すよりもはるかに激痛の圧痛点があります。

こういった場合、足の親指の爪の付け根にあるF1~F2をピソマやお灸、円皮鍼で刺激したり、指の腹にソマレゾンを貼り付けると動作時の脛の痛みが軽減、もしくは消失します。
井穴刺絡図

こういった治療で痛みが治るということから、シンスプリントと思われる痛みの中には骨膜の炎症によるものではなく、足の親指が頻回に衝撃を受けることで痛みが作り出されていることが考えられます。

と言うよりも、そもそもシンスプリントで頻発する「脛骨の下3分の1辺りのところ」には筋肉自体は付着していません。
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※赤い部分が筋肉の付着部です。

こういった解剖学的な事実からも、全てのシンスプリントが骨膜の炎症によるものとは言い切れないと私は考えます。

さて痛みのコントロールとしては上記の処置で十分ですが、根本的な解決ということになると、もちろんそもそもの原因であるランニングフォーム等の改善が必要になります。
まずフォームそのものをいじる前に試していただきたいのが、下図に示すような片足立ちバランスの改善です。
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http://www.i-l-fitness-jp.com/no-tool/kataashidachi.htmlより

このポーズを左右の脚で行い、フラツキ具合の左右差を確認してください。
上図のような単純な片足立ちでは左右差を確認できない場合は、片足立ちのままジャンプやスクワットをしたり、大股歩き(ランジ・ウォーク)に切り替えたりすると左右差を確認できることがあります。

安定して立っていられる側の脚と痛む脚が同側だった場合、ふらつく方の脚のみ下記のストレッチとトレーニングを行って片足立ちのバランスを改善すれば、シンスプリントの痛みが軽減したり再発を防ぐことができます。
「ストレッチによる腰痛対処法-腰痛の原因は腰にあらず-」
「軸足の存在によって生じる臀筋の左右差とその解消方法~ランニング中に起きる膝痛を題材にして~」

次に上記のエクササイズでシンスプリントの痛みが改善する理由です。
シンスプリントを訴える患者(多くはランナー)は痛む側(患側)で立つと、健側と比べて安定して立っていられることが多いです。
つまり安定して立っていられる患側の脚で大きく地面を蹴って走っていると考えられます。
一方でフラツキが大きい脚では、患側の様に地面をけることが出来ていないと考えられます。
その結果、足の親指付近の負担も患側の脚の方がより大きくなってしまい、痛みを発症してしまうという流れです。

左右の脚を同じように動かしているつもりで走っていても、片側により負担が掛かり、もう一方はあまり使えていないということはよくあることです。
ちなみに右利きの方の場合、右脚を使ったり、右腕を使うために左足で踏ん張ったり、踏み切ったりすることが多いために、左脚の筋力の方が強いことが多いです。
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ちなみにランニング中の膝の痛みや走ったり、歩いたりしている時の肩の動揺も片足立ちバランスの不良によって生じます。

またフォームそのものの改善としては「(足の親指で)地面を蹴る」という意識ではなく、「地面を足全体でキャッチする」という意識を持つのがいいと思います。

※足の親指や下腿で地面を蹴る力はお尻やモモの筋肉に較べると極わずかなものです。
より大きな力があるお尻や太もも後面の筋肉を有効に使うには「地面を捉える」という意識の方がいいはずです。

あの福島大学女子陸上部を日本トップクラスに導いた川本監督も同様のことをおっしゃっています。
BS-i | 超・人 陸上監督/川本和久
http://www.jump.co.jp/bs-i/chojin/archive/060.html

引用開始

上から下へと足を振り下ろし、足が体の真下へと来た瞬間にトラックを強く「押す」。これが最大限に「力」を生み出す走法である。

足が離れる瞬間、トラックをつま先で、引っかくように蹴っているのだ。蹴ることで、僅かだが、力のロスが生まれている。

引用終了

地球とケンカしちゃダメということですね。
当院の症例はこちらをご覧下さい。