自律神経について

最近「自律神経失調症」という診断を受けたり、「自律神経のバランスが崩れている」と言われる人が増えているように感じられます。
さてこの自律神経とは一体何者なのでしょう?

自律神経とは、不随意神経とも呼ばれ、交感神経と副交感神経からなる心臓、胃、膀胱、血管といった内臓などの普段意識することが無い全身の機能を支配する神経のことです。

交感神経が優位になると、心臓がドキドキし、瞳孔が開き、気管支が開き、胃腸の働きが不活発になり、膀胱に尿が溜まりやすくなるなど、身体活動を行うのに適した状態になります。

一方、副交感神経が優位になると、心臓はゆったりと拍動し、気管支は細くなり、胃腸の活動が活発になり、トイレに行きたくなるなど、身体活動を行うには不適当な、つまりリラックスするのに適した状態になります。

(喘息をお持ちの方が夜間、明け方に苦しくなるのは、その時間帯が副交感神経の活動が活発になるためです)

この交感神経と副交感神経は上記のとおり、同じ臓器に対して影響を与えていることがあります。
このため過度のストレス・疲労、不規則な生活、暴飲暴食などによって、この自律神経が適切に働かなくなると、当然のごとく動悸、不眠、胃腸障害、めまい、頭痛といった身心の不調を引き起こすのです。

現代日本社会はストレスが多く、深夜に仕事などで活動する機会があり、飲食物がいつでも手に入るなど生活も不規則になりやすいなど、自律神経が乱れやすい社会だと言えるかもしれません。

もし自律神経に全く乱れが無いという方がいれば、その方は快食、快便、快眠で健康そのもの、疲れ知らずといった方でしょう。

この自律神経の乱れを整えることこそ、鍼灸治療はとても有効で、交感神経緊張抑制、副交感神経緊張抑制のツボが存在します。

一方「西洋医学は自律神経の疾患は不得意」と頭痛大学で有名な間中病院の間中信也先生は仰っていました。
このため間中先生ご自身も、ストレスによる頭痛に対しては、投薬ではなく、体操やウォーキングや腹式呼吸、規則的な生活を行うよう指導することが多いようです。
また頭痛に対しては「痛み止めを毎日、もしくは月に10回以上服薬していると薬を飲んでも頭痛が改善しない慢性連日性頭痛になってしまう」とも間中先生は仰っていました。
(ちなみに間中信也先生のお父様、故間中喜雄先生はお医者様でありながら、東洋医学にも精通していらっしゃり、鍼灸に関する多くの研究を行っています)

つまりお医者様で「自律神経失調症」と診断されたということは、「検査数値に異常は無いし、精神科疾患でないこともわかったし、苦しんでいることもわかったけど、私にはどうすることもできません(ので、生活指導します)」と言われているようなものではないでしょうか?

自律神経失調症と診断されたが何もしてもらえなかったという方は、当院やお近くの鍼灸院に一度ご相談してみて下さい。

ちなみに交感神経緊張を抑制するためには下図のH6・F4が、副交感神経緊張を抑制するには下図のH5・F5が有効です。

副交感神経緊張による症状としては、就寝時が明け方、リラックスした時にのみ起こる症状全般(頭痛、かゆみ、耳鳴りなど)、アレルギー症状(花粉症、リウマチなど)、下痢、起床時等の倦怠感、胃潰瘍、頻尿などです。

反対に交感神経緊張による症状としては、日中に起こる症状全般(頭痛など)、便秘、寝つきの悪さなどです。

井穴刺絡図

(2011年8月16日掲載の記事を一部修正)

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