月別アーカイブ: 2017年5月

【16/17リーグ】ウェスト・ハム対リバプール

ロンドン・スタジアムでのハマーズ戦は、引分け以下だとアーセナルに自力4位を復活させてしまい、更にはミッドウィーク次第では来週末「KOP全員がエバトニアンになる」という事態を発生させてしまいかねないという意味でも重要な一戦です。
まずはスカッド。
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フィルミーノが欠場で、ルーカスがベンチスタート、代わってスタリッジとララーナがスタメンに復帰です。
ジャンがアンカーでしょうか?

続いてハマーズのスカッド。
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前節で残留を決め、ノーブルとクヤテは来シーズンに備えて、痛めていた箇所の手術。
恐怖のビッグマン、キャロルは怪我が治りきらずに欠場です。

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舞台はアップトン・パークとは打って変わって、オサレな造りのロンドン・スタジアム(快晴)。

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ただし最寄り駅からかなり遠い&スタンドとピッチも天文学的に遠いとの報告あり。

オリギとスタリッジの併用ということで、どういったフォーメーションかが気になる所でしたが、ジャンをアンカー、ララーナをトップ下、オリギとスタリッジで2トップ、コウチとジニをサイドハーフで、中盤ダイヤモンドの4-4-2といったところです。
恐らく、今シーズン初めてのフォーメーションです。
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クロップは「最適解だよ」とでも言いそうですが、さすがに「勝負に出た」と言ってもいいでしょう。

6分、早速リバプールの見せ場です。
自陣右サイドの深い位置から放り込まれたクロスに対して、ミニョレがバックステップを踏んで、ロブレンに肘打ちを喰らわせながらキャッチ。
プレーしながら日頃の仕返しもやっちゃうなんて、一体どこで何をしてきたら、そんなに上手くなれるんだ?(笑)

7分にはハマーズに決定機。
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要注意のランシーニに中央で前を向かれると、FWカレリに楔を付けられ、更に左でフリーのバイラムへ。
際どいシュートを打たれますが、ミニョレは完全に見切ったかの様な見送り。682984394
反応し切れなかったようにも見えましたが・・・。

すぐさまレッズも反撃。
スタリッジがドリブルからの早いモーションのシュート。
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しかし、アドリアンの正面を突いたシュートはキャッチされます。
トップ下のララーナとスタリッジのコンビネーションで、狭いスペースをかいくぐってチャンスを作ります。

11分、ララーナの飛び出しで得た左CKをコウチが放り込みます。
ファーに走り込んだマティプがフリーで頭で合わせます。
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「先制!!!」と思って腰が浮いた直後、ボールはワンバウンドの後にボーを叩きます。
オリギ、ロブレンがファーからニアに向かって走り、ファーに残ったマティプをフリーにするというサインプレーだったと思われます。

12分にはミニョレのファインセーブ。
自陣エリア正面からフェルナンデスのミドルがミニョレの左の足元を襲います。味方がブラインドになったのか、やや反応が遅れますが、素早い動きでゴールラインに逃れます。

15分、ララーナが敵陣エリア右脇で粘ってクロスを上げると、こぼれ球をコウチが左脚で強烈なミドル。
しかしこれもアドリアンの正面。

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オリギとスタリッジが下がってきて組み立てに参加しますが、オリギはボールを上手く足元に収めることができません。
一方のスタリッジは、効果的なプレーで中盤の組み立てを活性化します。

24分、ミリーは自らのトラップミスを叱責する雄叫び。
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こんなバレたらイエロー必至のタックルなんていつの間に???

26分、ゴール正面からコウチがミドル。
バーを越えていきますが、引いた相手を引き出すには有効な際どいシュートでした。

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相手の右WBのバイラムと右CBのフォンテの裏のスペースをララーナ、ミリーが走り込んで狙っているようです。

32分にも中央のコウチから右に開いていたスタリッジにロングパス。
中に切り込んでからのシュートは惜しくも右に外れます。
しかしスタリッジの動きはかなり軽やかです。

もう一歩という所まで近づいていた35分、一本のロングパスで均衡を破ります。
ハマーズがリバプールのPAまで攻め込んだ直後、DFが跳ね返したボールをミリーが中央のコウチに預けます。
3CBの間で待っていたスタリッジに球足の速いグラウンダーのパス。
フォンテが残ってオンサイドになると、スピードを上げながらのドリブルで左に小さなフェイントを入れて、直後に右方向に急激なターン。
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これでアドリアンの体勢を崩して飛び込ますと、簡単にこれをかわして、後は丁寧に流し込むだけでした。
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歓喜のハイタッチ。
ハマーズ守備陣の一瞬のスキを突いた、キレイなゴールでした。

44分にはハマーズに絶好の決定機。
左CKをランシーニが放り込むと、こぼれ球がファーにいたアイェウの足元へ。
流し込むだけでしたが、さすがそこはリバプールファンを公言しているガーナ代表。
シュートをポストに2回当て、何とかミニョレが跳ね返りをキャッチ。
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ハマーズサポーターは目の前の光景を疑ったことでしょう。
スタリッジ、ナイスカバー!!!
0-1とリードして試合を折り返します。

後半立ち上がり、オリギ、スタリッジ、ララーナと立て続けにシュートを放ちます。
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前半でハマーズがやや高めのライン取りをしてきたのを見越してか、プレスの位置をやや高く設定し直したようです。

ここでハマーズは2枚替えで、フォーメーションを4-4-2に変更(したらしい)。

56分、ハマーズのシステム変更を嘲笑うように、レッズに追加点。
ジニのボレーシュートがバーに跳ね返されますが、リバウンドをゴール正面で拾ったコウチがドリブルでPA付近まで進むと、右脚で左隅へと狙いすましたシュート。
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コリンズの「やられたぁ感」がツボです(笑)。
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もちろんこの子もこの笑顔。

62分にもカウンターから追加点。
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コウチの無慈悲なまでに豪快なシュートがネットを揺らします。
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スタンドのハマーズ・ファンも笑うしかありません。
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スタリッジもこの笑顔。
これについては、本人も試合後にTwitterで残留宣言とも思えるコメント。

65分にもオリギのゴール正面からのミドルがバーをかすめます。

ミニョレも苦手だったファーへのクロスを、的確なバックステップとパンチングorキャッチングで完璧な対応。
「しかしビッグマンがいない状況では、まだまだ真価は測り切れていない」と思うのは、疑い過ぎでしょうか?

スタリッジがドリブルでエリア内まで侵入。
ゴールライン近くまでえぐった後のクロスが中央のララーナへ。
ララーナ、ジニのシュートは跳ね返されますが、こぼれ球にオリギの右足が反応し、レッズに追加点。
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さすがに諦めたのか、ロンドンスタジアムのお客がスタンドを後にします。

80分を過ぎても積極的にチェースするなど、スタリッジは元気です。

85分を過ぎると、得点差も手伝ってか、ジャンの脚が一気に鈍りだします。
すかさずクロップはスタリッジ→ルーカスのサブ。
ルーカス&ジャンの2DMFで、中盤フラットの4-4-2でしょうか。

89分には、コウチ→ウッドバーン、ララーナ→グルイッチのダブル・サブ。

ハマーズが高い位置からチェースしてきますが、上手くいなしてスタジアムに響くYNWAの大合唱に聞き入ります。

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余裕の展開にボスも笑顔のガッツポーズ。
これで最終節のアンフィールドでのボロ戦で勝ちさえすれば、自力で4位確定。
更には、シティの結果次第でCLストレートインの3位。
来シーズンのCL出場がかなり近づいてきました!

一方のハマーズは、ガラガラのスタンドを背にラップオブホナー。
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残ったサポーターの為に、アドリアンとランシーニは即席サイン会。
中盤のキーマン、ノーブルとクヤテがいない状態でラインを高くするのは、リバプール相手には無謀だったでしょう。
果たして、ビリッチの首はつながるのでしょうか?

【16/17リーグ】リバプール対サウザンプトン

残り3試合となり、トップ4フィニッシュはもちろん、CLストレートインの3位を確保するためには、勝ち続けるしかないレッズ。
今節はアンフィールドに、難敵セインツを迎えての一戦。
まずはスカッド。
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この画像のコウチはめっちゃカッコいい!!!
スタートもベンチも前節のワトフォード戦と全く同じです。
ララーナは、前節のコウチのアクシデントによる出場が祟ったのか、スタートからはまだ出場できないようです。
ちなみに倉敷さんは、デッドレッグは「モモカン」派とのこと。

セインツのはこちら。
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スタメンだって悪くないのに、ベンチにカセレス、ロング、ロドリゲス、ホイブルク、レドモンドって、「厚み」っていう意味だとレッズ以上では?

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仰向けとうつ伏せで生じる腰痛 20代女性

【症例】20代女性・会社員

【初診日】’17年4月26日(施術回数1回)

【現病歴】
以前から腰痛を感じていたが、’17年4月10日から全体に痛みが強くなりだした。
4月から仕事が忙しく、運動不足なことが原因として思い当たる。
夜中に痛みで目が覚める事は無い。
仰向け、うつ伏せ共に痛みが出る。
医者には掛かっていない。

【既往歴】
高校時代に左右の第5中足骨を疲労骨折。

【症状の確認】
〈立位〉
前屈(-)
後屈(+)
側屈:右(+)左(-)
回旋:右(-)左(-)

〈仰臥位〉
膝を伸ばすと曲げている時よりも痛みが強くなる

【触診】
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◎:強圧痛
〇:圧痛あり
✕:圧痛無し

【視診】
右足に少し外反母趾があります。

腰部では脊柱起立筋には圧痛は無く、腰方形筋部に圧痛を検出しました。
触診部位を広げると、臀部には強圧痛、足甲部に圧痛を検出できました。

【施術】
患者は以前にも鍼灸施術の経験があり、触診時の押圧でも痛みを訴えるなど、かなり触圧刺激に対して敏感でした。
尚且つ、「施術方法は特に希望無し」だったため、「より痛くない刺激方法」として鍼施術を提案したところ、快く採用していただきました。

伏臥位で、圧痛を検出した左右の屈伸穴周囲、大腸兪穴、腎兪穴、太谿穴、崑崙穴に単刺術を施しました。
仰臥位になってもらうと、先ほどまであった仰臥位で膝を伸ばした際の痛みが無くなっていました。
更に、足甲部への単刺術、下肢全体にストレッチを施し、下肢の筋肉をほぐしました。
起き上がってもらい最初と同じように動いてもらうと、後屈での痛みが無くなって、右側屈での痛みが残りました。
改めて、痛む周囲を触診すると、気海穴に圧痛を検出できました。
左足臨泣穴と左気海穴にパイオネックスを貼付すると、右側屈時の痛みがほとんど無くなりました。
施術修了後に「筋肉のコリが痛みの原因だと思われるので、冷やさないことと、なるべく体を動かすよう」指示して初診を終了しました。

【その後】
3日後に来院していただくと、「腰は全く痛くない」とのことだったので、略治としました。
この日は、腰痛予防のためのストレッチ、「右脚が内股になってしまう」という悩みに対するストレッチを指導。
更に、下肢のペアストレッチ、手部と肩上部のマッサージを施して終了しました。

【16/17プレミア】ワトフォード対リバプール

ヴィカレージ・ロードに乗り込んでのリーグ戦。
トップ4でフィニッシュするためには、何が何でも勝ち点3が欲しい試合です。
内容とかどうでもいいです。

まずはスカッドから↓
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スタートは前節と同じですが、ベンチにララーナとスタリッジ、クラバンが戻ってきてくれました。

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ジェラード01-13

「捻挫はクセになる?」-大谷選手の捻挫に関する一考察-

【目次】
1.「捻挫はクセになる」?
2.足関節捻挫を繰り返す原因「股関節の内転不足」
3.大谷選手の「クセになっている」右足関節捻挫
4.上半身の動きからわかる大谷選手の右中臀筋の状態
5.なぜ肩の動きで中臀筋の状態がわかるのか
6.なぜ右足ばかり痛めてしまうのか?
7.大谷選手の捻挫グセは治るのか?
8.まとめ


1.「捻挫はクセになる」?

スポーツの現場などでは、足関節の捻挫を繰り返してしまう選手に対して「捻挫はクセになる(から治りにくい)」という言葉を聞くことがあります。
そしてクセになる原因としては、「関節を固定する靭帯が緩んだままになる」「しっかり固定ができていない」とか「がに股気味に歩いている」といった説明がなされることが多いようです。
しかし、本当にそういった原因で、捻挫を繰り返してしまうのでしょうか?
今回は足関節捻挫、特にその多くを占める内反捻挫が起こる原因や、繰り返してしまう身体的要因について、大谷翔平選手を始めとしたプロスポーツ選手の画像を見ながら、解剖生理学とバイオメカニクス的観点から考えていきたいと思います。

「足関節の内反・外反」
足関節内外反
http://muscle-guide.info/sokkan_2.htmlより

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http://www.cramer.co.jp/1510-2/より
※「足関節の靱帯の損傷(捻挫)」について詳しくは足関節捻挫,前距腓靭帯損傷のリハビリ治療をご覧ください。


2.足関節捻挫を繰り返す原因「股関節の内転不足」

いきなりですが、筆者の考えです。
捻挫を繰り返してしまう主な原因は、「中臀筋が弱かったり、硬かったりすること」による「股関節の内転不足」だと考えます。

「中臀筋(右)」
中臀筋
http://www.musculature.biz/40/44/post_169/より

「股関節の内転・外転」
股関節内外転

下の画像の左足の様に、足関節を内反捻挫しやすい体勢になった瞬間、必ず同側の股関節も内転を強いられています。
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上の画像の様に「股関節の内転角度が十分に深く取れる」と、「足関節の内反捻挫のリスクが下がる」のです。
この理由について、野球よりも横方向への動きが激しく、より捻挫のリスクが高いスポーツであるサッカーを行いながらも、公式発表上「捻挫」での欠場が一度もないスティーブン・ジェラード選手と、捻挫を繰り返してしまっている選手の画像を比較ながら解説していきます。
※記録はtransfer marktのページより。

まず、ジェラード選手の画像です。

「股関節(左)が十分に内転した状態」
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上図の左脚の様に、股関節を深く内転することができると、膝から下(下腿)と地面が作る角度を小さくすることができます。すると、下の画像の様にキック後などに足関節の内反を強制されるような状態になっても、足関節の内反角度を小さくすることができます。
つまり、股関節を深く内転することで、足首の外側の靱帯が受けるダメージを軽減することができるのです。

「足関節の内反を強制される直前の状態」
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この瞬間の後、足関節の内反動作が始まり、足の甲が地面に着くまで強制的に内反されます。

「足関節(左)が内反し切った状態」
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この瞬間までに「股関節内転」が十分にできていると、その分だけ「足関節内反」の角度を小さくすることができ、捻挫のリスクを低くすることができるのです。

次に、「股関節内転」の角度を十分に取ることができず、足首の外側の靱帯を痛めている、つまり捻挫を繰り返している選手の画像も貼付します。
こちらのジョエル・マティプという選手は、’16年の7月以降だけで7・11・12月の計3度「左足関節の靱帯を痛めた」とクラブを通じて発表されています。
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※’16年になって左足首の怪我の頻度が増した原因や、右足関節を捻挫しない理由等、より詳しくはこちらのページをご覧ください。

キックした瞬間のマティプ選手の左股関節の内転角度をジェラード選手のそれと比較すると、内転角度が浅いことがわかるかと思います。
この状態で下の画像の様に足関節の内反が始まってしまうと、足の甲が地面に着くまでの足関節の内反角度が大きくなってしまい、足首の外側の靱帯を大きく伸ばしてしまいます。
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※この画像では、マティプ選手は全身を左に傾けることで、「足関節内反」の角度を小さくしています。

つまりマティプ選手は、「捻挫」を起こしやすい股関節、特に中臀筋の状態だということがわかります。

以上から、「中臀筋が柔軟かつ強靱で、股関節を深く内転することができれば、足関節捻挫のリスクを低くすることができる」ということがわかります。
反対に、足首の怪我だからと言って患部にばかり気を取られて、股関節、特に中臀筋の状態を改善させないでいると、いつまで経っても捻挫を繰り返してしまう、つまり「捻挫がクセになる」という現象が起きてしまうのです。


3.大谷選手の「クセになっている」右足関節捻挫

「クセになっている捻挫」を患っているスポーツ選手に、プロ野球の大谷翔平選手がいます。
ここでは、彼が捻挫を繰り返してしまっている原因について考えていきたいと思います。
まずは大谷選手の捻挫がどれくらい「クセになっているか」についてです。
下記の2つの記事によると、高校時代から右足関節の捻挫を繰り返していて、昨年の日本シリーズの際にも痛めていたことがわかります。

大谷、深刻な古傷「右足首」真相 花巻東時代から捻挫癖、WBC辞退どころか将来も危うい2017.02.03

当時(※2013年4月13日・オリックス戦(ほっともっと)でも、右翼守備で飛球を追った際ファウルゾーンの芝の切れ目で同じ右足首を捻挫)、「高校(花巻東)時代から軽い捻挫で足首を痛めることが何度かあった」と明かしていたが、ここにきて古傷が再発した格好だ。

WBC欠場の大谷翔平、自滅の理由は「足首の爆弾」と「キックボクシング」

大谷は昨年10月の日本シリーズ第4戦に“3番DH”でスタメン出場した際、1塁ベースへの走塁で右足首を捻挫しています。その時は、患部に分厚いアイシングを施しながらも、“足首が緩いので、いつも冷やしているんです”と軽傷をアピールしていました。

オフシーズンを挟んでも、前年10月に負った右足首の痛みが治りきなかったために、今回のWBCの辞退につながってしまいました。
しかも右足首をかばいながら出場し続けたためか、4月8日には左大腿二頭筋の肉離れ(筋挫傷)を負ってしまったそうです。
下の画像の内出血具合からすると、それなりに重度の筋挫傷であることが伺えます。

大谷「僕からは何も言えない」今度は左脚肉離れ…離脱4週間か
左大腿肉離れ痕
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6236948より


4.上半身の動きからわかる大谷選手の右中臀筋の状態

結論から述べてしまうと、大谷選手が捻挫を繰り返している最大の原因は、やはりマティプ選手と同様「中臀筋(大谷選手は右)が弱い」ことだと思われます。

「右中臀筋(再掲)」
中臀筋
http://www.musculature.biz/40/44/post_169/より

大谷選手の右中臀筋が左よりも弱いであろうことは、彼の走動作から伺われます。
打撃直後の走動作から、大谷選手の左右の中臀筋の状態を確認していきます。
左右の一歩目の着地から離地までの上半身、特に左右の肩の先(肩峰)を結んだライン(以下「肩のライン」)にご注目下さい。
※バットを放した直後の右脚の着地から離地を「右脚1歩目」とし、以降「左脚1歩目」「右脚2歩目」とします。

1/4倍速でスロー再生しても、わかりにくと思いますので、コマ送り画像も掲載していきます。
※You Tubeの動画は「,」と「.」の操作でコマ送りできます。

「右脚1歩目➀」
大谷・右脚着地01

「右脚1歩目⓶」
大谷・右脚着地01-2

「右脚1歩目③」大谷・右脚着地01-3

「右脚1歩目➃」
大谷・右脚着地01-4

「右脚1歩目⑤」
大谷・右脚着地01-5

「右脚1歩目⑥」
大谷・右脚着地01-6

次に「左脚1歩目」の着地から離地までのコマ送り画像です。

「左脚1歩目➀」
大谷・左脚着地01

「左脚1歩目⓶」
大谷・左脚着地01-2

「左脚1歩目③」
大谷・左脚着地01-3

「左脚1歩目➃」
大谷・左脚着地01-4

「まだよくわからない」という方のために、コマ送りのスライドショーを載せます。
※画像中央下部の➡をクリックしてください。

まずは右脚の1歩目(6コマ)。

スライドショーには JavaScript が必要です。

次に左脚1歩目(4コマ)。

スライドショーには JavaScript が必要です。

「肩のラインの左右差」はいかがだったでしょうか?
「右脚の着地から離地までの間、肩のラインが右側に傾いている」のが確認できるかと思います。反対に、左脚の着地から離地までの間の肩のラインの傾きは、それほど大きくありません。
ちなみにこの「肩のラインの左右差」は「2歩目」、「3歩目」でも、ほぼ変わらずに見られます。
この「右脚の着地から離地までの間、肩のラインが右側に傾いている」ことが、「大谷選手の右中臀筋の筋力が弱いこと」を示しているのです。


5.なぜ肩の動きで中臀筋の状態がわかるのか

次に「肩のラインの傾きで中臀筋の状態がわかる」理由についてです。
実はこの左右の肩の先(肩峰)を結んだラインが傾く動きは、中臀筋に十分な筋力が無い時に生じる典型的な動き(代償動作)です。歩行時にもこういった肩の動きが出現すると「ディシェンヌ跛行」と呼ばれ、中臀筋が弱い、もしくは麻痺している歩行とされます。
下図の右端cが右中臀筋が弱く、上半身が右に傾くディシェンヌ跛行している状態です。対して、左端のaは中臀筋の筋力が十分にあり、上半身が真っ直ぐにして立てている状態です。
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『プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論/運動器系 初版』p.476より

先ほど「左足の捻挫を繰り返している選手」として取り上げさせてもらった、マティプ選手にも同様の兆候が見られます。
※こちらは単独の静止画です。

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捻挫を繰り返してしまっている左脚で着地した際には、左中臀筋の筋力が弱いために、代償動作として上半身が大きく左側に倒れています。

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対して、捻挫をしていない右脚で立った時には、右中臀筋は筋力が十分にあるために、上半身の傾きはありません。

※上記2点の画像は’12年9月のもので、このシーズンも翌シーズンもマティプ選手は試合を欠場するような捻挫はしていません。しかし2年後の’14年10月には、後に右第5中足骨の疲労骨折が判明する右足の怪我(非接触での負傷)を負っています。従って、この時期から怪我の前兆として、左中臀筋の筋力低下があったとしても、不思議ではありません。
※※「第五中足骨骨折」や「足底筋膜炎」、「シンスプリント」といった怪我は、足関節捻挫や膝痛とは反対に、安定して立てる(=中臀筋が強い)方の脚に発症してしまうことが多いようです。
参考記事「【考察】ジョーダン・ヘンダーソン選手の左踵の痛みが起きていない理由」
「トライアスリートの膝関節痛の原因となった股関節」

以上より、大谷選手は右の中臀筋が、左よりも弱いことが考えられるのです。
恐らく、この「右中臀筋の筋力不足」をトレーニングなどで改善できていないことによって、高校時代から現在に至るまで右足関節の捻挫を繰り返してしまっている、と私は考えます。
ここまでの「捻挫を繰り返してしまう原因」についてまとめると、以下の流れになるのではないかと思います。

「足関節捻挫を繰り返してしまうのは、中臀筋が硬くて弱いために『股関節の内転角度を深くした状態で立つことができず、下腿と地面が作る角度が大きい状態で、足関節を内反してしまう』という、極めて捻挫しやすい体の状態のまま運動を再開していることが、主な原因として考えられる」


6.なぜ右足ばかり痛めてしまうのか?

次に右の中臀筋の筋力が不十分で、左は(捻挫しない程度には)十分な筋力があるという左右差が生じてしまったかについて考えていきます。

ご存知のとおり、大谷投手は右投げ左打ちです。
特に投球動作と打撃動作の下の画像の瞬間は、左の中臀筋が筋力を発揮することで実現できるポジションです。497851916
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特に下半身の動きがより大きく、かつ左右差がある「右投げ」の影響で、鍛えているつもりが無くても、勝手に左中臀筋が発達したと思われます。
筋力差が生まれてしまったことによって、走動作の様な一見左右対称に見える運動中も、より筋力が強い左脚に頼った動きになってしまい、尚更、右中臀筋の筋力が低下してしまったと思われます。
つまり、野球というスポーツをプレイしていることで、無意識の内に右中臀筋の筋力低下が生じてしまい、右足関節の捻挫を繰り返してしまうようになったのです。
高校生以降から捻挫を繰り返すようになったのは、第二次性徴後に性ホルモンの影響によって筋肉が発達しやすくなったこと、つまりより左右差が生じやすくなったことが関係していると思います。
ちなみに、アスリートではない一般の方でも、利き腕と利き足の関係から、利き腕が右の人の多くは、左脚の方が安定して立てます(=中臀筋が強い)。

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反対に、左利きの方の場合、下の画像の様に、右脚で立った方が安定するケースが多いです。
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※利き腕と利き足、軸足(安定して立てる脚)の関係について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。


7.大谷選手の捻挫グセは治るのか?

もちろん「右中臀筋の強化」によって、大谷選手の「捻挫グセ」は改善することができるはずです。またマティプ選手やほぼ全てのアスリートの「捻挫グセ」についても、捻挫を繰り返してしまっている側の中臀筋を鍛えれば大丈夫です。
今までも多少意識的に、中臀筋をトレーニングしていると思われる画像もありました。
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※こちらは左中臀筋を鍛える動きになります。

しかし、走動作で確認できたように、現在の大谷選手は右中臀筋の筋力が不足しています。体重が97kgもある大谷選手(wikiより)は、今後はバーベルを担ぐなど、より負荷が高い中臀筋のトレーニングに取り組む必要があると思います。

ちなみに「中臀筋のトレーニング」などで、動画や画像を検索してもらえれば色々と出てくると思いますが、個人的には足の裏をしっかり地面についた状態(クローズドキネティックチェーン、CKC)で行うシングルレッグ・スクワットやシングルレッグ・デッドリフトがお勧めです。

「シングルレッグ・スクワット(右脚)」
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http://munfitnessblog.com/legs-workout-17-single-leg-squat/より

※クローズド・キネティックチェーンについて詳しくはこちらのサイトの「オープンキネティックチェーンvs.クローズドキネティックチェーン」以降をご覧ください。

ちなみに、中臀筋を鍛えると、ヒップアップ効果美脚効果(膝頭のすぐ上と、膝から下が細くなる)もあることを付け加えさせてもらいます。
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陸上女子短距離でロンドン五輪と世界陸上大阪大会で三冠を達成したアリソン・フェリックス選手を始め、陸上競技のトップ選手は、「臀部が発達し、膝から下が細い」という、美しく、かつ走動作に最適な体型をしていることがほとんどです。
詳しくは、拙ブログ記事「ヒップアップに一番効くエクササイズはこれっ!!!」をご覧ください。


8.まとめ

足関節捻挫を繰り返してしまう原因や対処法について、再度まとめます。
捻挫を繰り返してしまうのは、「中臀筋が硬くて弱いために『股関節の内転角度を深くした状態で立つことができず、下腿と地面が作る角度が大きい状態で、足関節の内反を繰り返してしまう』という、極めて捻挫しやすい体の状態のまま運動を再開しているため」だと筆者は考えます。大谷選手、マティプ選手が片方の足の足関節捻挫を繰り返してしまっているのも、原因は同様です。
反対に、ジェラード選手の様に股関節を深く内転することができるようになれば、足関節内反捻挫のリスクを低くすることができます。
筋肉はトレーニングなどで刺激すれば、柔軟かつ強靱になるので、中臀筋を鍛えるトレーニングを行えば「捻挫グセ」は改善することができます。
「捻挫を予防するため」の中臀筋のトレーニングについては、中臀筋が「立った状態で力を発揮する」必要があるので、地面に足を着いた状態で行うこと(CKC)が、最も有効だと思われます。
大谷選手の場合は右脚、マティプ選手は左脚のシングルレッグ・スクワットorシングルレッグ・デッドリフトを重点的に行うことで、捻挫の予防ができるだけでなく、片足立ちの安定性が高まることによるパフォーマンスアップも期待できます。

筆者の考察が正しいかどうか等はどうでもいいのですが、「日本の宝」である大谷翔平選手がしっかり治療とトレーニングを積んで、今後は捻挫を繰り返さなくて済むようになることを切に願います。

トレーニング等の直接指導もロジカル・トレーニングにて対応しています。ご興味ある方や、捻挫を始めとした「クセになっている」怪我でお悩みの方などは、お問い合わせなどからご連絡ください。

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