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高血圧と塩分のウソ・ホント

「高血圧にならないために塩分の摂取は控えましょう」

まことしやかに口にされるこの言葉ですが、実は高血圧と塩分の摂取量には相関関係が無いことが、いくつかの研究から発表されています。

詳細はこちらの記事をご参照下さい。

もちろん高血圧の原因を「塩分の過剰摂取」とする研究も存在します。

なぜ相反する結論が導かれるかというと、全く同じ研究が行われても、その結果を「有効」と判断するか「無効」と判断するかは多くの研究では結局人間の判断によるからです。

減塩によって血圧が下がる等の効用が存在することは一部で認められているのですが、それをどんなに僅かなものであっても「有効」と判断するか、「無効」と判断するかはその人・研究者の主観頼みなのです。

抗がん剤の治療にも同様のことが言えるのですが、そちらは別の機会に書きたいと思います。

実際に鍼灸臨床を行っていても、下肢の循環障害(しびれ、冷え)といった高血圧の要因となるような方の治療を行っていると、甘い物の過剰摂取がその原因であることが多いです。

高血圧を気にされている方は、服薬や減塩の前に、野菜を多く摂る、甘い物、脂っこい物の摂取を控える。
この2点を是非お試しください!!!

「高血圧について」も是非ご参照下さい。

「2016年12月26日追記」
その後、血圧を上げる複数の要因のうち、血管内皮を傷つけ血流を悪化させるのは「高血糖」状態が主要因ということがわかりました。
従って、現在では甘い物や炭水化物に含まれる糖分を避ければ血圧は下がると考えています。
脂っこい物(脂質を多く含むもの)はいくら摂取しても血糖値は上がらず血管内皮を傷つけません(トランス脂肪酸のみ、傷つける可能性あり)。
このことから塩分同様、脂質の摂取によって高血圧を招くと考えることは理論的に無理があります。

PSA検診について

前立腺癌の早期発見の手段のひとつとして、現在PSAというたんぱく質を測定する方法が用いられています。

しかし最近の論文等では、このPSAの値によって前立腺がんかどうか判定することへの疑問がヨーロッパを中心に広まっています。

私が尊敬する医師もPSA検診は無用と仰っています。
http://blog.livedoor.jp/leeshounann/archives/51317626.html

私が鍼灸学校で医師から習った際も、「PSA等の腫瘍マーカーは目安」と言われました。

以前の「高血圧について」でも書きましたが、どうかみなさん、検査の数値に振り回されないようお気を付け下さい。
たとえ数値が「異常」と言われても、症状が何もなければ多くの場合服薬する必要はありません。

また反対に数値が異常でなくても、何かお困りの症状がございましたら当院へご連絡下さい。

(2011年5月9日ブログ掲載の記事を編集・再掲)

内臓と精神

最近、内臓、特に腸と精神が関係している、もしくは内臓が精神を形成しているという考えをよく耳にします。

「はらわたが煮え返る」、「腹がたつ」、「腹に据えかねる」など日本人は昔から「ハラ」と「ココロ」のつながりを感じている民族だったと考えられます。

色々と調べてみると、西洋医学的にも「ハラ」と「ココロ」はつながりがありそうだったので、全くの推論ですが、以下に私の考えを書いてみます。

セロトニンについて wikipediaより

セロトニンはヒトを含む動植物に一般的に含まれる化学物質で、トリプトファンから産生される。
人体中には約10ミリグラムのセロトニンが存在しており、そのうちの90%は小腸の粘膜にあるクロム親和細胞(EC細胞とも呼ばれる)内にある。
クロム親和細胞はセロトニンを合成する能力を持っており、ここで合成されたセロトニンは腸などの筋肉に作用し、消化管の運動に大きく関係している。
ここで合成されたセロトニンの一部(総量の約8%)は血小板に取り込まれ、血中で必要に応じて用いられる。

残りの2%のセロトニンは中枢神経系(今後脳内セロトニンと記載)にあり、これらが人間の精神活動に大きく影響している。
日常生活から、うつ病や神経症などの精神疾患(無論全てではない)に至るまで脳内セロトニンの影響が注目されるようになり、近年では、セロトニン系に作用する薬物を用いることによって、これらの疾病を治療することができるようになった。
主な薬物に SSRI や SNRI があり、両者共シナプスから放出されたセロトニンの再吸収を阻害する事により、症状を改善する。

wiki中では、全く腸と精神については触れていないのですが、これってまさしく、腸と精神の関係について述べてる文章なのでは?と私は考えます。

下腹部を切る手術を行った(腸の納まりが悪い)方に、うつ病等の精神科疾患をお持ちの方が多いと伺っています。
お薬で解決しようとしても、身体の状態が整っていないと、余計に身体にとって負担になってしまうのではと私は考えます。

例)セロトニンを産生するよう指示(リフレックスの作用機序)しても、身体が産生する力を持っていない(=腸の働きが悪い)等

手術以来、気分が落ち込みやすい、薬を飲んでも気分が改善しないという方は、一度鍼灸治療で「ハラ」の状態を整えてみてはいかがでしょうか?

(2011年5月21日ブログ掲載の記事を再掲)